調査項目を読み解く ~6月~

6月の読み解く項目 1-3寝返り/1-4起き上がり

1-3寝返り(能力)
1.調査項目の定義
きちんと横向きになれなくても、横たわったまま左右どちらかに身体の向きを変え、そのまま安定した状態になることが自分でできるかの能力です。調査対象者に実際に行ってもらう、あるいは調査対象者や介護者から日頃の状況に関する聞き取り内容から選択します。

2.選択肢の選択基準
認定調査員テキスト参照

3.調査上の留意点
・一度起き上がってから身体の向きを変える場合は、寝返りとはしない
・医師からの指示や医学的理由で日頃寝返りを行っていない場合は「できない」と評価する
・コルセットなどの装具や福祉用具を日頃使用している場合は、使用している状態で評価する
・原則として日頃使用している布団やベッドを使って実際に確認動作を行ってもらい評価する

4.実際に行った確認動作と日頃の状況が異なる場合は一定期間(過去概ね1週間)のより頻回な状況で選択し、特記事項にその状況と選択根拠を記載する

能力で評価する項目であり、実際に行ってもらうのが原則です。

いつも横向きで寝ていて寝返りしない、日頃自発的には寝返りしておらず寝返りする時は介助を受けているとの理由で「できない」を選択するのは間違いになります。有無や介助の方法で選択するものではなく、あくまでも確認動作を行って評価判断するのが原則です。もし確認動作を行えなかった場合は行えない理由とその状況を特記事項に記載したうえで、選択理由を記載します。

調査の現場で体験するケース

①円背や腰曲がり(正式には変形性腰椎症)が強くて仰向けになれずいつも横向きで寝ており、調査の際は一旦起き上がって向きを変えた。
②ぎっくり腰(急性腰痛症)で何かに掴まらないと寝返りできない。それまでは掴まらずにできていた。
③片麻痺があり、健側の手でベッド柵を掴んで仰向けから横向きになるが、姿勢が崩れて安定した状態を保持できない。
④仙骨部に褥瘡があり仰向けになれないが、仰向け以外の姿勢には起き上がることなく比較的容易になれる。

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①のケース:仰向けになれずに一旦起き上がる場合は「できない」になります。”仰向けになれない場合はうつ伏せになれるかで判断する”という選択基準もありますが、日頃の状況から選択してよいと思います。
②のケース:現在の状況が今後も継続するか否かで判断するべきと考えます。「つかまらないでできる」或いは「何かにつかまればできる」のどちらを選択した場合でも、特記事項に状況と選択理由を記載して審査会に委ねるのがBetterと考えます。また、調査後に状況が変化した場合は区分変更申請になると思いますので厳密な選択は求められません。
③のケース:身体の向きを変えても安定した状態になれない、保持できない場合は「できない」になります。
④のケース:特殊なケースですが、仰向け以外にはなれる場合は、うつ伏せに自分でなることができればその方法で選択します。


1-4 起き上がり

1.調査項目の定義
身体の上に布団をかけないで寝た状態から上半身を起こすことができるかどうかの能力です。

2.選択肢の選択基準
調査員テキスト参照

3.調査上の留意点
・うつ伏せになってから起き上がる場合など、起き上がりの経路については限定しない。
・常時ベッドをギャッチアップしている場合はその状態からの起き上がりで評価する。
・コルセットなどの装具や福祉用具を日頃使用している場合は、使用している状態で評価する。
・原則として日頃使用している布団やベッドを使って実際に確認動作を行ってもらい評価する。

4.実際に行った確認動作と日頃の状況が異なる場合は一定期間(過去概ね1週間)のより頻回な状況で選択し、特記事項にその状況と選択根拠を記載します。

能力で評価する項目であり、寝返り同様に実際に行ってもらうのが原則です。
介助の方法などで選択するものではなく、あくまでも確認動作を行って評価判断するのが原則です。もし確認動作を行えなかった場合は行えない理由とその状況を特記事項に記載したうえで、一定期間(過去概ね1週間)のより頻回な状況で選択し、選択根拠を特記事項に記載します。

調査の現場で体験するケース
①円背があり、仰向けになれないためにいつも横向きで寝ている。横向きの状態からは軽く手を付けば起き上がることができる。
②調査の際はベッド柵に掴まり起き上がることができたが、日頃はベッドのリモコンを使って電動でギャッチアップしている。
③不穏があるために日頃はやむを得ずベルトで体幹抑制されている。そのため日頃起き上がりは出来ないが、調査の際は掴まらずに起き上がりができた。
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①のケース:起き上がる際の姿勢や経路は問いません。そのうえで軽く手を付く状態は「つかまらないでできる」に該当します。
②のケース:能力項目ですので、確認動作と日頃の能力で選択します。この場合は日頃もベッド柵に掴まればできると判断して「何かにつかまればできる」を選択します。
この状況をそのまま特記事項に記載すると、審査会事務局での事前チェックで「調査の際は出来たが、日頃は出来ないために電動でギャッチアップしている」とみられ、選択ミスと判断される可能性がありますので、「日頃から掴まってできる状態だが、習慣的に電動でギャッチアップして起き上がっている」などと特記事項に記載するのが良いと思います。
③のケース:この場合の体幹抑制ベルトは調査上の留意点にある「補装具」には該当せず、また、「医学的な理由でできない」にも該当しません。確認動作で出来た状態で判断し「つかまらずにできる」を選択します。

     山の初夏

次回は1-5座位保持  1-6 両足での立位保持 について読み解きます。

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