今月の話題8月|外出頻度が1次判定にどのように反映されるか検証する

外出頻度の選択肢によって1次判定の要介護認定等基準時間はどの位変わるのか?

樹形モデルから見た外出頻度と要介護認定等基準時間(以後:基準時間)の関係

筆者自身、今までの訪問調査で、2-12外出頻度項目の選択肢で1次判定結果が変わることを何度か経験しています。そのため「外出頻度が多い方は少ない方に比べ要介護度は重くなる傾向にある」と考えていました。
今回改めて‶検証シリーズ第3弾”としてそのことを検証することとしました。

外出頻度は、1次判定のための基準時間を算出する8つの樹形モデルのうちBPSD関連を除く7つのモデルで分枝として出てくる。

外出頻度は樹形モデルの分枝に頻繁に顔を出します。
この分枝については、大きく分類すると①「外出頻度項目」として単独で関与する分枝②2群全体の中間評価項目得点として関与する分枝の2種類があります。
単独での分枝では樹形モデルによって最小で2.0分、最大で10.9分の違いが出ます。中間評価項目得点の場合は他の項目との合計による分枝なので外出頻度がどの程度関わっているかは分かりません。

ケース紹介

今回も前回同様に非該当~要介護3までの6つの要介護度で、それぞれ3ケースずつ(非該当のみ2ケース)合計17ケースでシュミレーションを行いました。
以下がそれぞれのケースです。

17ケースの1次判定画像

各ケースの選択肢ごとの基準時間

図表1

図表1では、選択肢「週1回以上」を基準として、選択肢を変えることで基準時間が変わった場合を赤字にしてあります。

結果の分析

1.傾向
「週1回以上」を基準とした基準時間と「月1回未満」の基準時間を比較した場合、全ケースで基準時間が変わり、このうち16ケースで「週1回以上」の方が基準時間が多かった。なお、残りの1ケースは中間評価項目得点の影響があったと思われます。
このことから、外出頻度が多い方が1次判定の基準時間が多く、ひいては1次判定の要介護度も重くなる傾向がある。

2.比較
外出頻度の選択肢が「週1回以上」と「月1回以上」ではほとんどの場合基準時間は同じで、17ケース中14ケース(82%)が同じであった。
実際、前述した樹形モデルの単独の分枝では「週1回以上」と「月1回以上」は同じグループに属しています。

3.関係
1次判定が要支援1・2、要介護1の「軽度者」のケースでは、9ケース中5ケース(56%)で「月1回未満」を選択することで1次判定の要介護度が1段軽くなる結果となった。
また、「週1回以上」を選択した場合には1次判定が要支援2であったものが、「月1回未満」では1次判定で非該当となるケースが1例あった。

4.結果・考察
①「週1回以上の外出」と「月1回未満の外出」の比較では、1次判定のほぼ全例で「週1回以上の外出」の方が要介護認定等基準時間が多かった。
②選択肢が「週1回以上」と「月1回以上」では要介護認定等基準時間は変わらない場合が多く、全体の82%が同じであった。

室内移動に何らかの援助が必要な方の場合、外出では室内以上の援助が必要になる場合がほとんどです。そのような理由から「外出機会が多い方は外出機会が少ない方よりも介護の手間が多い=1次判定の要介護度が重い」という理論になると考えられます。

いかがだったでしょうか?

経験的に「外出機会が多い方の方が1次判定の介護度が重くなる」とは感じていましたが、全ケースで要介護認定等基準時間が変わることや、選択肢が「週1回以上」と「月1回以上」ではほとんど介護度は変わらないということを今回のシミュレーションで初めて知りました。

今回の結果がみなさんのお役に立てば幸いです。

 

暑中お見舞い申し上げます。