今月の話題10月|最新の介護認定に関する苦情Vol.2

全国の国保連から公表されている認定調査に関する苦情・不満

今回は認定調査員に対する苦情・不満を紹介

前月に引き続いて「国保連から公表されている認定調査に関する苦情・不満」を取り上げます。前月は認定調査に対する苦情・不満のうちで「制度に関する苦情」「行政窓口に対する苦情」「認定結果に対する不満」の苦情事例を掲載しましたが、2回目の今回は「認定調査員に対する苦情・不満」事例を取り上げます。

前回8月末に当サイト「今月の話題9月・最新の介護認定に関する苦情Vol.1」記事をアップした直後に、東京都国保連から「苦情相談白書/令和元年度版」が配信されました。
今回の記事にこの令和元年度版を反映させるか迷いましたが、Vol.1との整合性がとれないために東京都国保連の苦情事例については前回と同じ平成30年度版を使用しました。令和元年度版についてはまた別の機会に紹介したいと思います。

事例紹介

申立人     事例     対応
本人(兵庫県)私(相談者・要支援1)は、今日認定調査を受けた。調査中に母(要支援2)の世話が大変で、買い物や掃除等を頼みたいと思っていると訴えると、調査員から私のことで調査に来たので関係ないと言われた。市の広報誌には、日常生活の困りごとを話すように記載されているのに、調査員が全く話を聞こうとしないことに腹立たしかった。介護保険の認定調査がこんなことでいいのか納得いかない。認定調査は、本人の状態及び介護の手間を調査することになっている。調査に関する苦情については、直接保険者に相談してほしい旨を伝えた。
本人(東京都)認定調査の予約の際の電話が馴れ馴れしく、調査時に調査員証の提示がなかった。帰り際に名刺をもらったが事業者名が入ったものだったので心配になった。当該調査員は区から依頼した調査員であることを説明した。身分証の提示やプライバシーの配慮について調査員に徹底して欲しいという要望があったので、相談調整担当から認定係へ苦情内容を伝えた。
本人(東京都)訪問調査員の態度が悪く、質問らしい質問もなく動作の確認もしなかった。また、2号被保険者の調査員は医療知識のある調査員にして欲しい。調査員の対応、調査方法、医学的知識の必要性などについて担当部署に伝え、認定調査の受託事業者に注意することで了解を得た。
家族(宮城県)母の介護認定調査のために調査員が入院先の病院を訪問することになった。そのことを病院に連絡しておいたが、約束の時間に母が病室にいなかったことから、調査員からいいかげんですね等ときつい調子の言葉でいろいろ言われた。本来なら調査員が直接病院と訪問の日時等を調整し、家族にアドバイス等をするものではないのか。今後、私のように嫌な思いをすることがないように指導してほしい。市役所に連絡し、再発防止に努めるようお願いした。
本人(宮城県)介護認定調査員は、調査日の連絡が遅れても「申し訳ない」の一言もない。
また、それ程高齢でもないのに、「おばあちゃん」などと声をかける。親しみを込めているつもりかもしれないが、初めて会った人にどうかと思う。
「調査員の一存で結果が決まるのよ」というようなことも言われる等、あまりにも酷いので、途中で帰ってもらったこともある。これまで何回も嫌な思いをしてきており、係長にも苦情を言ってきたが改善されないので国保連に電話した。
事業所に相談があった事を伝えるにあたって相談者の名前を伺ったが、匿名にしてほしいとのこと。近々認定調査があるので、その際に改められていなければ再度電話するとのことであった。その後訪問調査機関に電話し、これまで以上の対象特性を踏まえた対応をお願いした。
本人(岩手県)認定調査員から自宅調査時に不適切な発言があった。自分は左半身マヒがありタオルが絞れないことに対し「蛇口にタオルを引っかけて絞ればいいのでは」と調査員は言った。自分はリハビリも受け相談もしている。調査員の立場を超えた発言であり、不愉快な思いをした。加え、訪問する調査員によって聞取り内容も方法も異なるのはおかしい。
認定調査員の中にはヘルパーや介護福祉士等の資格を有する者もあり、経験上からの発言だったと推察されるが、認定調査員の立場を超えており不適切な対応であった事をお詫びした。調査における聞取り方については経験年数や職歴等で多少の個人差はあるものの、調査員マニュアルに基づいての調査であり、調査内容に差異がでることのないよう、調査員研修等を通し指導、情報共有を行っていくこととする旨もお伝えした。
家族(東京都)認定調査の日程調整をするための電話連絡で、認定調査員の態度が悪かった。日程も認定調査員自身の都合に合わせようとしており、歩み寄りの姿勢を感じなかった。家族には不愉快な思いをさせてしまったことに対し、謝罪をした。調査委託事業所には、事実確認を行うとともに、接遇に関する注意を行った。
家族(東京都)要介護認定申請書内の連絡先記載欄に「1_ 自宅、2_ 携帯」、面接調査の同席欄に「希望する」と記載していたにもかかわらず、認定調査員が家族への連絡なしに入居している施設へ勝手に行ってしまった。調査委託事業所へ事情を確認したところ、携帯へ連絡したがつながらなかったため、自宅への連絡は行わず施設と連絡をとり、調査に行ってしまったとのことだった。申請書の記載どおりに調査をするよう指導し、相談者へ事情を説明の上、謝罪するように伝えた。
家族(東京都)訪問調査の際、認定調査員から利用当事者が介護サービスの利用を希望していないこともあるので、家族で介護支援をできるようであれば、やっていただきたいと言われた。認定調査員からの話に関して、家族は言われたとおりに対応すべきなのか。
相談者に対し、認定調査員の業務は、あくまで要介護・要支援認定にかかわること、例えば利用当事者がどのくらい介護支援を必要とするのか、利用当事者の心身の状態について調査を行うことであると説明した。認定調査員からの話は、助言や提案の1つと考えられ、今のところ、利用当事者は介護サービスの利用に否定的であるようだが、今後は介護支援専門員等と在宅での介護支援計画、介護サービス利用を検討していただければと伝えた。
家族(東京都)認定調査終了後、認定結果がでているにもかかわらず、認定調査員から電話でその後の状況を聞かれた。身体の状態やサービス内容を話したが、本来認定調査員に言う必要がないことではないか。認定調査員がこのような連絡をすることは通常はあるのか。保険者から調査委託事業所の責任者に事実確認したところ、電話をしたのは事実であった。身体の状態が心配になり電話をしてしまったとのこと。今後見守りが必要な対象者がいた場合には、保険者や地域包括支援センターに連絡するよう指導した。家族に対しては、調査のみを行い、調査で聞きそびれたことがあれば、認定調査直後に電話をして確認する場合もあるが、通常認定結果が出てからの連絡は行わない旨を伝えた。今後は、認定調査員が調査対象者へ連絡することのないよう注意及び指導を行った旨を伝えた。
ケアマネ(東京都)認定調査時に、認定結果がでる前に工事ができると言われたので手続きしてほしいと相談があった。認定調査時にサービスの説明をするのであれば、正しい情報を利用当事者が理解できるようにしてほしい。認定調査時にサービスの詳細を説明をするのは適切ではなかったと謝罪を行った。認定調査員に対し、調査時の言動に関する注意を行った。
ケアマネ(東京都)認定調査に来た認定調査員の日本語が片言であった。介護者でも聞き取れない部分があり、利用当事者も聞き取れていたのか不安であったと家族から苦情があった。認定調査票の内容に矛盾はなく特記もきちんと記載されている。これまでも何度か依頼しているが認定調査票に問題のあったケースはない。真面目に調査に取り組んでいる認定調査員である旨を相談者に伝えた。

まとめ

これまで紹介した事例を見ると
1.認定調査の範囲を逸脱した不適切な対応や発言がある。
2.調査員の発言の主旨に間違いはないが、表現や言葉使いが不適切で真意が伝わっていない。
3.上から目線で話をする、相手の了解を得ないで決めるなど、社会人としてのマナーに欠けている。

いずれも、調査方法や聞き取り内容などの専門分野に関する苦情ではなく、言葉使いや話し方などの基本的な態度が苦情の原因となっているようです。
また、最後の事例は認定調査員が外国出身者の方であったと推測されます。近年、介護の現場で外国出身の方を見かけるようになりました。私は外国出身の方が認定調査やケアマネ業務をしている例を見かけたことがありませんが、将来この分野でも増えていくだろう事は容易に予想がつきます。

認定調査にあたっては、対象者の疾患に関する情報を持ちつつ、相手の立場に立って聞き取りし、言葉遣いに気をつける。これが苦情につながらない対応のコツではないかと思います。