認定調査項目を読み解く|話がまとまらない

4-15 話がまとまらず、会話にならない

1.項目の定義

「話がまとまらず、会話にならない」行動の頻度を評価する項目です。
ここでいう「話がまとまらず、会話にならない」行動とは、話の内容に一貫性がない、話題を次々と変える、質問に対してまったく無関係な話が続く等、会話が成立しない行動のことです。

2.選択肢の選択基準

認定調査員テキスト参照

3.選択の際の留意点

話の内容を問うものであり、元々の性格で会話が得意でない、失語症で会話に支障がある、小声で聴き取り難い、意識障害があり話しかけても反応に乏しい等の場合は該当しません。

 

4.ポイント

・発語能力があり聞き取りもできる人が、認知症などでコミュニケーションがうまく出来ない、会話が成り立たない場合などが該当します。

・3-1意思の伝達が「伝達できない」を選択している場合は該当しません。

具体的には
・相手の言っていることが理解できず、的外れな話をするため話が噛み合わない。
・相手の話を聞かず一方的に話すため会話にならない。
・非現実的な話をするため会話が成り立たない。
・記憶力低下があり、時系列に沿った話が出来ないため辻褄が合わず会話にならない。
・話が横に逸れ、無関係な話が続いて話がまとまらない。
などです。

5.判断に迷うケースの選択肢と選択理由

ケース選択肢選択理由
難聴のために、相手の話したことを聞き違えて話が噛み合わないことが日常的にあるが、聞き取れれば妥当な会話ができているない聞き取れないことが原因の場合は該当しない。
日中独居で話し相手がいなくて寂しいと言う。調査の際は、質問には答えるがそれに関連した別の話になり話が前に進まない。話がまとまらない状態ではないない話が進まない場合でも、話がまとまらない、会話にならない状態でなければ該当しない
小声で言葉もはっきりしないために何を言っているのか分からない時が多い。3-1意思の伝達は「ほとんどできない」を選択した。ないこの項目は話の内容を問うものであり、この場合は発語の問題ですから項目の定義に該当しません。
現在施設入所中で、他の入の話に影響されやすく、話す度に趣旨が変わるために、話がまとまらないことが月に2 〜3回ある時どきある内容に一貫性がないために話がまとまらない場合は該当する
日頃はボーとしていて家族が話かけても反応がない。たまりかねて家族が「聞こえているの?」と聞くと、全く的外れな返答をすることが月に2~3回ある。時どきある質問に対して無関係な話をするため会話にならない状態と考える。
話しかけると妥当な返答をするが、それに関連付けて決まって自分の身の上話にもっていくために話が進まず、話がまとまらないある無関係な話が続き話がまとまらない、周囲の状況に合致しない場合
は「ある」に該当する
2か月間入院し1 か月前に退院したが、入退院の経過を覚えておらず病識もない。そのため話に整合性がなく辻褄が合わない。ある物忘れのために話の整合性に欠け、辻褄が合わないために話がまとまらないケース。
昔の事と現在を混同しており、話の内容はいつも非現実的である。ある記憶力低下による非現実的な内容の話で、話が噛み合わない場合は該当する