認定調査項目を読み解く|簡単な調理

1.項目の定義

「簡単な調理」の介助が行われているかどうかを評価する項目です。
ここでいう「簡単な調理」とは、「炊飯」、「弁当、惣菜、レトルト食品、冷凍食品の加熱」、「即席めんの調理」をいいます。

2.選択肢の選択基準

 

認定調査員テキスト参照

 

3.選択の際の留意点

● 能力ではなく、介助の方法で選択します。
● 一般的な「おかず」を作る調理は含まれません。
● お茶、コーヒー等を入れる行為は含まれません。
● 即席めんについては、具体的に何が該当するか定めはありません。
● 経管栄養の流動食については、常温で投与されている場合は「介助されていない」、温める行為が行われている場合は「レトルト食品の加熱」に該当するとして、介助の方法を評価します。
● 時間帯や体調等によって介助の方法が異なる場合は、一定期間(調査日より
概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況で選択します。
● 介助されていない状況や、実際に行われている介助の方法が不適切と判断し
た場合は、適切な介助の方法を選択し、不適切とした理由と選択根拠を特記
事項に記載します。

 

4.ポイント

一人の対象者に定義に含まれる行為が複数あり、それぞれで介助の方法が違う場合があります。
例えば、炊飯と温めの行為が同じ頻度であるケースです。
炊飯は便宜上家族全員分を介護者が行い、温めなどは対象者が自分で行っている場合があります。
この場合「炊飯は介助されるが温めは介助されていない」との評価になります。

このようなケースでは頻度での選択が難しいため対象者の能力や状態像等を総合的に判断して選択することになります。そして具体的な状況と選択理由を特記事項に記載するようにします。

 

5.判断に迷うケースの選択肢と選択理由

ケース選択肢選択理由
炊飯は自分でしているが、ヘルパーに調理の援助を受けている介助されていない「簡単な調理」に該当する行為は炊飯であり、一般的な「おかず」を作る調理は該当しない
長男家族と同居しており日中は独居。炊飯と調理は嫁が毎日している。対象者は日中自分で惣菜を温めて食べており、時々煮物を作ったりもしている介助されていない炊飯は介助されるが惣菜の温めは介助されておらず、頻度での選択も難しいケース。この場合、炊飯は便宜上家族のものと一緒に行われていると判断し、自分で温めや煮物を作っている状況から選択する。状況を特記事項に記載する
夫と二人暮らしで、調理はせず近所のスーパーから惣菜を買って食事している。炊飯は対象者が毎日行うが、レンジの使い方がわからないために食事のたびに夫の指示、声かけを受けてレンジで惣菜の温めを行っている見守り等上のケースの逆パターンですが、対象者の能力・介護状態から「見守り等」が妥当と考えます。
経管栄養の流動食は温めないが、白湯で割って温かくして流している介助されていない流動食の温めは「レトルト食品の加熱」に該当するが、白湯で割る行為は該当しない
現在入院中で、点滴治療が継続的に行われている。昼食のみ経口から粥食を全介助で食べている。介助されていない粥は簡単な調理に該当するが昼食のみの提供であり、頻度から選択する。
対象者は認知症のある妻と二人暮らし。炊飯を妻と2 人で行っており、妻が米を研ぎ対象者が水加減をしている。調理は行わず、宅配弁当のおかずのみ届けてもらっている一部介助該当する行為は炊飯のみであり、その炊飯の一部が介助されている
グループホームで野菜を切る手伝いをしている。食事は施設から提供を受けている全介助野菜を切る行為は簡単な調理に該当しない。炊飯が介助されていることから選択する
娘との二人暮らし。対象者は視力障害で細かい物が見えず、炊飯は娘が毎日している。煮物等のおかずは対象者が毎日作っており、惣菜の温めも時々している全介助該当する行為は炊飯と惣菜の温めで、煮物は該当しない。炊飯の頻度が多く、炊飯は全介助されていることから選択。自分でおかずを作ったりしている状況を特記事項に記載しましょう。
2世帯住宅で1階に1人で住んでいる。1か月前に右肩を骨折し、簡単な調理を含めた調理は一切できない。現在2階の長男一家の調理援助を受け、1階に運んでもらって食べている。骨折前はそれぞれで炊飯、調理して別々に食べていた全介助このケースの場合、別世帯で調理した物を分けてもらって食べているのではなく、実際に対象者のために炊飯や調理が行われている状況から、対象者に介助が行われていると判断します。