認定審査会に伝わる特記を書く|しつこく同じ話をする・大声を出す

しつこく同じ話をする

ポイント:記憶力低下に伴う周辺症状です。同じ内容の話を繰り返しする、同じことを何度も聞くなどの状態について、具体的な状況や頻度、介護の手間などを記載します。

特記記載例選択肢ポイント
若い時の話、自分の実家のことなど昔の話を初めて話すかの様に毎日繰り返している。ある分かりやすい特記だと思います。
同じ話の繰り返しが日常的にあるが職員は話を合わせて聞いている。ある状況は判りますが、特記のスペースがあれば具体的な状況を記載するべきと思います。
現在仙骨圧迫骨折で入院中。調査中にコルセットを外したいと何度も訴えている。ある4群で評価するのは、社会生活上あるいは場面や目的から見て不適切な行動の頻度です。コルセットを外したいとの訴えが不適切な状況であると判断できる記載が必要と考えます。
食後すぐに食事したことを忘れて職員に「食べていない」と訴える。その都度食べたことを説明するがすぐに忘れてまた同じことを言う。ある(ひどい物忘れと同じ話の共同特記)この特記内容は食事したことを忘れている状況を記載していると受け取れます。「同じ話をする」だけの記載では特記として不十分です。
現在入院中。尿カテーテル留置中で、カテーテルが邪魔にならないように腹部でテープで固定している。固定部位にこだわりがあり、テープの位置について看護師に何度も張替えを要求してくるある目的から見て不適切な状況とは言えず、「ない」を選択して、特記のみとするべきと考えます。
施設入所中で、「身体がグラグラする」といつも同じ症状を繰り返し訴えてくる。ある身体症状については不適切かどうか判断できないので「ない」を選択して特記のみにするべきと考えます。
「DSにお金を持って行かなければならない」「○○駅に来いと言われたので行ってくる」など非現実的な話をする。他の話の途中でも同じ話をする時がある。時々ある項目の定義は「しつこく同じ話をする」行為があることです。この特記は非現実的な話をについての特記になっていると思います。
自分の気になる事があると何度も繰り返し話すことが週4~5回ある。ある気になることがある場合に繰り返し確認したり話しをすることは必ずしも不適切とは言えません。話す内容など、不適切と考える状況を具体的に記載するべきです。
「置いていたバッグが無くなった」「お金が無くなった」と毎日のように訴える。4-1被害的と4-5同じ話をするで「ある」を選択対象者の話は事実ではないとの前提で特記を記載し選択していますが、事実ではないことの記載がないと「被害的」「同じ話をする」共に該当するか判断できないと考えます。

 

 

大声を出す

ポイント:判断や理解力低下に伴う周辺症状の一つです。人格の変化や易怒性または感情コントロールが出来ないことによって、状況にそぐわない大きな声、目的に照らして不適切な大きな声などについて、具体的な状況や頻度、介護の手間などを記載します。

特記記載例選択肢ポイント
自室で一人でいる時に「バカヤロー」などと大声で叫ぶことが毎日ある。ある(独語は「ない」を選択している)当項目は当然ですが、独語にも該当すると思います。
体位交換や着替えの介助の際に「痛い!触らないで!」と大きな声を出して職員の手を振り払うことが毎日ある。ある(大声を出すと介護抵抗の共同特記)「痛い、触らないで」と言うことが不適切である状況を記載するべきです。例:「身体的には何ら問題がないにもかかわらず」など。
部屋中にペットボトルやカップ麺の容器が散乱している。本人に処分するように話をするとゴミではないと怒り出す。時々ある状況としては理解できますが「怒り出す」だけではなく、大声を出している事の記載もするべきです。
施設入所中で、若くて経験の浅い職員に対し強い口調で介助を拒否することが週2回ほどあるある状況は想像できますが、強い口調だけではなく、実際に大声を出しているとの記載もするべきです。
日頃穏やかだが、施設職員に被害的な訴えをした際に、対象者自身にも非があることを諭されると「私は悪くない!」と言ってヒステリックになり大きな声で叫ぶことが週に1回ほどある。ある状況が分かりやすい特記だと思います。