調査項目を読み解く|寝返り・起き上がり Part2

寝返り

調査項目の定義

「寝返り」の能力を評価する項目です。

ここでいう「寝返り」とは、きちんと横向きにならなくても、横たわったまま左右のどちらかに身体の向きを変え、そのまま安定した状態になることが自分でできるかどうか、あるいはベッド柵、サイドレールなど何かにつかまればできるかどうかの能力です。

調査対象者に実際に行ってもらう、あるいは調査対象者や介護者からの日頃の状況に関する聞き取り内容で選択します。身体に布団等をかけない状態で選択します。

選択肢の選択基準

調査員テキスト参照

 

選択の際の留意点

● 原則として、日頃使用しているベッドや布団を使って実際に確認動作を行ってもらい評価します。
● 医師からの指示や医学的理由で日頃寝返りを行っていない場合はできないと評価します。
● コルセット等の装具、福祉用具等を使用している場合は使用している状態で評価判断します。
● 一度起き上がってから身体の向きを変える行為は、寝返りとはしません。

 

ポイント

●能力項目なので基本的には実際に行ってもらった状況で評価します。
● 実際に行った確認動作の状況と日頃の状況が異なる場合は、一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回な状況で選択します。その際も、能力で判断し、介助の方法で判断するものではありません。そして、実際に行ってもらった状況と、日頃の状況など具体的な内容を特記に記載します。

 

選択に迷うケースの選択肢と選択理由

ケース選択肢選択理由
右側を向いて寝るのが習慣で日頃寝返りはうたない。確認動作ではつかまらずにできたつかまらずにできる確認動作で評価し、日頃も同様なら「つからずにできる」を選択する。
両下肢麻痺があり、でん部 はベッドについたままだが上半身はつかまらずに横向きになれるつかまらずにできる。きちんと横向きになれなくても、つかまらずに身体の向きを変え、そのまま安定した状態になることができれば「できる」と評価する
布団に寝ており、敷布団の縁をつかんで寝返りする何かにつかまれば出来るつかまる物については限定しない
腰椎圧迫骨折で腰痛があるが、コルセット着用すれば毎回ベッド柵につかまっての寝返りはできる何かにつかまれば出来る福祉用具や装具を日頃着用している場合は着用した状態で評価する
大腿骨頸部骨折で人工骨頭置換術後。脱臼う防止のために寝る際は
両下肢の間に外転枕を挟んで仰向けで寝るよう指示されている
できない医学的理由で寝返りが禁止されている場合は「できない」を選択する
認知症があり介助者の指示が通りにくい。調査の際はベッド柵に掴まってできたが日頃は促しても理解できないために介助で寝返りしている。できない能力的には出来ても日頃指示が理解できずに介助が必要な場合は「できない」を選択する。

 

 

起き上がり

調査項目の定義

ここでいう「起き上がり」とは、身体の上に布団等をかけないで寝た状態から上半身を起こすことができるかどうかの能力です。

調査対象者に実際に行ってもらう、あるいは調査対象者や介護者からの日頃の状況に関する聞き取り内容から選択します。

選択肢の選択基準

調査員テキスト参照

 

選択の際の留意点

● 原則として日頃使用しているベッドや布団を使って実際に確認動作を行ってもらい評価します。
● 常時ベッドをギャッチアップしている場合はその状態から評価します(一旦フラットにする必要はありません)。その状況を特記事項に記載します。
● 寝た状態から上半身を起こす行為を評価するもので、うつ伏せになってから起き上がる等、起き上がる経路については問いません。
● 自分の膝の裏をつかむ等、自分の身体の一部を支えとする、または腕や肘に加重しないと起き上がれない場合は「何かにつかまればできる」を選択
します。
● 補装具を使用している場合は、使用した状態で選択します。ギャッチアップ機能がついているベッド等の場合はこれらの機能を使わない状態で評価
します。

ポイント

●動作を確認する場合は掴まるものがある環境で実施します。(ベッド柵を置く、介助者の手などに掴まれるようにするなど)

● 実際に行った確認動作の状況と日頃の状況が異なる場合は、一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回な状況で選択します。その際も、能力で判断し、介助の方法で判断するものではありません。そして、実際に行ってもらった状況と、日頃の状況など具体的な内容を特記に記載します。

選択に迷うケースの選択肢と選択理由

ケース選択肢選択理由
円背があり、仰向けになれないためいつも横向きで寝ている。横向きの状態からは、軽く手をつけば起き上がることができる起き上がる際の姿勢、経路は問わない。軽く手をつく状態は「何かにつかまればできる」には該当しない
日頃から足を振り下す反動を利用してつかまらずに起き上がっているつかまることなくできている場合はその状況で選択する
腰痛のために仰向けのままでは起き上がれない。いつも一旦うつ伏せになって両手を付き、腕に加重して起き上がる起き上がる経路は問わない。身体を支える目的で手などに加重して起き上がる場合は該当する
両手を膝の下に差し入れ、膝を掴むようにして起き上がっている自分の身体を支えにする場合は「つかまればできる」に該当する
自分でベッド柵をつかんで上体を起こすが、自力起き上がって座位になることはできない自力で座位の形まで起き上がれない場合は「できない」を選択する
調査の際はベッド柵に掴まってできたが、日頃は依存的で促しても起きあがれず、毎回介助を受けて起き上がっているとの事実際に行った確認動作と日頃の状況が異なる場合はその能力頻度から判断する。能力的にもできない時が多い場合は「できない」を選択し、具体的な状況を特記に記載する

 

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