認定審査会に伝わる特記を書く|集団への不適応

 

ポイント

「勝手な行動がある」や「他の利用者とトラブルになる」などの問題行動の記載は多いですが、「集団にはいれない」「集団への不適応がある」の記載がない場合が多く見られます。また、頻度の記載がない場合も多く見られますので「時々ある」「ある」のどちらに該当するのかが判るように記載しましょう。

定義や選択肢の選択基準はこちら

記載例

記載例選択肢ポイント
勝手な行動があり周囲に合わせようとする意識に乏しいが集団への不適応とまでは言えない。ない特記のみとしたケース 
週2回DSを利用している。他の利用者に嫌われているとの被害妄想があり、月1回ほどDSを休む。時々あるDSを休む行為を集団への不適応と判断したことについての記載があると分かりやすいと思います。
現在有料老人ホーム入居中。以前からの性格で思ったことをそのまま口にするため他利用者とトラブルになることがある。頻回のトラブルではないことから「時々ある」を選択。時々ある「時々ある」を選択するのは概ね過去1か月間に該当する行為が月1回以上、週1回未満見られる場合です。“頻回のトラブルではないから”ではなく具体的な頻度を記載するべきです。
被害妄想があり、他の利用者を大声で怒ったり手を上げようとするため目が離せない状態。ある「大声で怒ったり手を上げようとするため目が離せない状態」の記載は介護の手間についての説明と思いますので、「大声で怒ったり手を上げようとするため集団にはいれない」とし、介護の手間として目が離せない状態であると表現すると判りやすいと思います。
勝手な行動が多く、集団活動中に他の利用者と一緒の行動をせずに急に立ち上がったりするため常に職員が付き添っている。ある「集団活動中に他の利用者と一緒の行動をせず」の表現よりも「集団活動に適応できず他の利用者と同じ行動ができない」としたほうが判りやすいと思います。
認知症と難聴のために被害的な考えがある。他の利用者と喧嘩になるためフロアーにいる時は見守りが必要である。ある見守りが必要な状態は理解できますが、この場合「集団に入れない、集団への不適応がある」の一文があると分かりやすいと思います。
老人ホーム入居中で、物盗られ妄想があり「あの人が盗った」などと言うためにホームや利用しているDSで仲間に入れないことが目立つようになった。ある「目立つようになった」の記載では「ある」を選択することが適切か判断できないため具体的な頻度を記載するべきです。
気分の波があり、機嫌の良い時は集団での体操にも参加するが、週1回は他者の集まりに強い拒否がある。ある状況も頻度も判りやすい記載です。
有料老人ホーム入居中。日頃から他者と関わることを好まないが、入居者の中に1人だけ打ち解けて話せる人がいる。その人がいないと集団の中に入ろうとしない。ある状況が判る特記です。
施設入所中で、統合失調症と失語症があり、常にカーテンを閉めて自室にこもっている。ある状況が判る特記です。
施設入居中で、団体行動を促すと頭痛や気分不快を訴える。ある団体行動に適応できないために身体症状が出る状態と見受けられます。具体的な頻度の記載があれば判りやすいです。