認定審査会に伝わる特記を書く|寝返り・起き上がり

寝返り

つかまらないでできる

記載例                   ポイント
調査の際は声かけだけで掴まらずに寝返りができた。日頃自発的に寝返りすることはないが、促されれば掴まらずに自分でしているとの事。 調査の際にたまたまできたのではなく、日頃からつかまらずに出来ているという意味の記載すべきです。
両下肢麻痺があり、でん部はベッドについたままだが上半身はつかまらずに横向きになれる。 選択肢は問題ありません。具体的な状況を記載することで対象者の全体像がわかりやすくなります。

 

何かにつかまればできる

記載例 ポイント
調査の際は下肢に痛みがあり寝返りできなかった。ふだん痛みがない時はベッド柵をつかんで寝返りができており、ここ1週間では下肢の痛みはほとんどなかったとの事。 実際に行ってもらった状況と日頃の状況が違うケース。日頃の状況で選択したことが判るように記載します。
腰椎圧迫骨折で腰痛があるが、コルセットを着用すれば毎回ベッド柵につかまっての寝返りはできる。 装具を使っている状態で選択していますが、出来れば「コルセットを普段から着用している」ことを記載すべきです。

 

できない

記載例 ポイント
腰曲りが強くいつも横向きになっており、向きを変える際は一度起き上がる必要がある。 できないと判断した理由を記載します。
片麻痺がありいつも仰向けで寝ている。健側の手でベッド柵をつかんで横向きになるが、安定した状態になれない。 同上
大腿骨頸部骨折で人工骨頭置換術後。脱臼防止のために寝る際は両下肢の間に外転枕を挟んで仰向けで寝るよう指示されている。 医学的理由で寝返りが禁止されている場合はその状況を記載します。

 

起き上がり

つかまらないでできる

記載例 ポイント
円背があり、ベッドをフラットにすると自力では起き上がれないためいつもベッドを20°程度にギャッチアップしている。日頃この状態からつかまらずに起き上がっている。 日頃からギャッチアップしていることと、この状態からの確認動作で評価したことを記載してあるのでわかりやすいと思います
足を振り下す反動を利用してつかまらずに起き上がることが出来る。日頃からこの方法で起き上がっている。 具体的な状況の記載で判りやすいと思います。

何かにつかまればできる

 

記載例 ポイント
現在入院中で、調査の際はベッド柵につかまり起き上がりができたが、不穏がありベッドから転落の危険があるため日頃ベルトで体幹抑制されており、起き上がることはない。 <ポイント>能力項目のため確認動作で判断するのが原則。具体的な状況を記載することで対象者の全体像の理解につながります。
腰痛のために仰向けのままでは起き上がれない。いつも一旦うつ伏せになって両手を付き、腕に加重して起き上がる。 うつ伏せになって起き上がっている理由と選択根拠を記載します。

できない

記載例 ポイント
調査の際はベッド柵につかまり起き上がれたが、介護者の話では日頃はめまいや倦怠感があり自分で起き上がることはできないとのこと。 <ポイント>実際にやってもらった状況と日頃の状況が違う場合で、日頃の状況と選択根拠を記載します。
認知症があり指示が通らず起き上がりはやってもらえなかった。介護者の話では、日頃は促してもできる時とできない時が半々とのこと。選択に迷ったが実際に行ってもらった状況で選択した。 行えなかった理由と状況、また介護者から聞き取った日頃の状況を記載します。そのうえで選択根拠を記載します。

 

次回は 1-5座位保持 1-6両足での立位保持 の特記例を紹介します。