認定調査項目を読み解く|金銭の管理

5-2 金銭の管理

1.項目の定義

「金銭の管理」の介助が行われているかどうかを評価する項目です。
ここでいう「金銭の管理」とは、自分の所持金の支出入の把握、管理、出し入れする金額の計算等の一連の行為をいいます。

 

2.選択肢の選択基準

認定調査員テキスト参照

 

3.選択の際の留意点

● 単なる金銭のやり取りや、銀行での引き出し行為ではなく、金銭の「管理」について介助が行われているかを評価します。
● 手元に現金を所持していない場合でも、年金・預貯金・各種給付等の管理状況で選択します。
● 一定期間の定めはありません。施設入所や入院など、生活環境が大きく変わった場合は、現在の介助状況で判断します。
● 介助されていない状況や、実際に行われている介助の方法が不適切と判断した場合は、適切な介助の方法を選択し、不適切とした理由と、選択根拠を特記事項に記載します。

 

4.ポイント

金銭管理行為は以下の4点で評価し、これに対して介助が行われているかで判断します。

①現金、クレジットカード、通帳などの物理的な保管、管理
②現金、クレジット、口座残高など全体の収支把握
③日々の行動や買物に伴う支出に見合った現金の所持管理( 少額あるいは小遣い程度の現金の管理と収支把握)
④買い物や料金支払いの際の、その都度の出し入れする金額の計算

注:口座からの現金の引き出し、支払いの際の財布からの現金の出し入れ行為は金
銭管理に含まれません。また、生活費として家族等に渡した金銭の管理も含まれません。

あくまでも対象者の所持金の管理状況で判断しますが、対象者の所持金が妻や夫などと合算になっており区別ができない場合は、合算された所持金の管理状況で判断します。

 

5.判断に迷うケースの選択肢と選択理由

ケース選択肢選択理由
ベッド中心の生活で通帳の管理と収支把握は自分でしている。妻に引き落としを頼み生活費を渡している。
妻が生活費全般の管理をしている
介助されていない自分の所持金の金銭管理状況で判断する。自分の所持金から家族へ生活費を渡している場合、この生活費の管理は含まれない
通帳管理や収支把握もしている。自分でも財布を持つが手指の振戦があるため、受診の際のタクシー代や診察料は付き添う妻が払っている介助されていない自分の所持金の管理状況で判断する。また支払いの際の財布からの現金出し入れ行為は、金銭管理に含まれない
対象者である夫は自分で金銭管理しているが、その夫が入院中のため妻が代わって夫の口座から現金の引き出しや支払いを行い、入院費等の出費を夫に報告している一部介助金銭管理の一部であるその都度の金額の計算や現金の管理が介助されている
独居で、入院先の病院から一時的に現在のサービス付高齢者住宅に退院した。施設入居に伴い妹に通帳や印鑑の保管を頼んだ。銀行からの引出しのみ妹に頼み、支払い、収支把握も自分でしている一部介助通帳、印鑑の保管が介助されていることから選択
通帳等の管理とその収支把握は息子がしており、対象者には小遣いとして現金が渡されている。対象者はその金額の範囲で買い物や支払いを自分でしている一部介助対象者が金銭管理の一部である少額の現金を自己管理し、それ以外の金銭管理行為が介助されている場合は「一部介助」に該当する
本人が安心するので現金を少額持たせているが、持っているのみで使う機会はなく、手元の現金の計算や収支把握もしていない全介助少額の現金所持はしているが金銭管理に該当する行為をしていない場合は「全介助」に該当する
通帳や現金の管理はしておらず、金銭に関わるのは行きつけの床屋で散髪した時の支払いのみで、その際は家族が代金を財布に入れて渡し、それを対象者が払ってくる全介助介護者が準備した現金の出し入れのみしている場合は「全介助」に該当する
現在施設入所中で、通帳管理、入所費用等の支払いは全て成年後見人がしており、対象者は少額の現金も所持していない全介助成年後見制度を利用し、管理、支払い、収支把握が全て介助されていると判断する
施設入所中で、通帳は家族が管理し、現金は施設で預かっている。外出時や訪問販売で欲しいものを買い、支払いは預り金から職員が出している。本人は購入金額の計算はできるが残金の把握はしていない。全介助管理能力での評価ではなく、通帳や現金の管理と収支把握(残金が少なくなった時の補充を含む)を誰が行っているかで判断する

 

次回は「5-3 日常の意思決定」について読み解きます。

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