認定審査会に伝わる特記を書く|薬の内服

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薬の内服

ポイント

・テキストでは、内服の一連の行為について①薬や水を手元に用意する②薬を口に入れる③飲み込む、と定義していますが、この他に「薬を飲む時間や量を理解する」がないと①の行為に繋がりません。ですから④として「薬を飲む時間や量を理解する」も一連の行為に含むのが妥当と考えます。

注)前回の「認定調査員テキスト2006 版」の「薬の内服」の定義には、「薬を飲む時間や量を理解する」が含まれており、入院や施設入所者等施設管理の場合の選択基準になっていました。2009 年改訂版ではこの定義が変更され、能力勘案での選択基準はなくなりました。詳しくは<2020年5月 調査項目を読み解く:薬の内服>参照。

記載例選択肢ポイント
拒薬あり。お粥にココアパウダーを混ぜて、その中に薬をいれて介助で内服している。全介助(2-4食事摂取は一部介助)薬の内服の一連の行為に対し、何が介助されているかの記載がないので全介助の選択が妥当か判断できません。
本人の希望で、職員がお粥に薬を載せれば自分でスプーンですくい服薬する。一部介助一部介助に該当する状況と思いますが、この場合も一連の行為に対してどんな介助がされているか記載するべきです。
施設で管理し、毎回口の中に入れて服用、水は自分で飲むことが可能。一部介助施設で管理していることは理解できますが、他に何が介助されているのか不明です。また「飲むことが可能」としていますが、能力の記載ではなく、実際に行われている介助の記載をするべきです。
自己管理しているが、月に4~5回飲み忘れがあることから適切な判断として一部介助を選択。一部介助実際の介助の方法が不適切との判断ですが、何をどのように介助するのが適切と考えるのかを記載するべきです。
自己管理できないので家族が管理して手渡している。朝服用できないことがあると家族が通所職員に手渡すが、それを見て「俺によこせ」と激怒する様子あり。一部介助選択肢に問題はないと思いますが、「家族が通所職員に~激怒する様子あり」の部分はこの項目ではなく4群の関連項目に記載するべきと思います。
職員管理。職員が薬を直接口に入れ、その後自分でコップを持って服用する。日頃「何で?」と言って服用拒否するため、その際は時間をおいて対応する必要がある。一部介助この項目では介助の方法に関する記載のみにし、服用拒否の状況は4群の関連項目に記載したほうが見やすいと思います。
現在内服薬はない。内服薬があると想定した場合、食事は全介助で摂取している状況から「全介助」が適切と判断する。全介助薬の内服がない状況、薬が処方された場合の想定として判りやすいと思います。
管理は施設で行っている。錠剤をトロミ水に混ぜて飲ませている。全介助この「飲ませている」の記載だけでは全介助に該当するのが判らないので、具体的な介助の方法を記載するべきです。
袋を切って手渡せば飲めることから「一部介助」を選択一部介助「手渡せば飲める」と能力の記載となっているので、実際に行われている介助の方法の記載にするべきです。
家族が管理。本人に手渡せば自分で飲むが薬を落とすことが多い。家族が飲み込むのを確認している。薬に執着しているので飲み忘れはないが、手持ちがないと落ち着かなくなるとの家族談。一部介助聞き取った情報を整理しないで記載するとかえって解りにくくなるので必要なことだけ記載しましょう。「本人に手渡せば~薬を落とすことが多い」の部分と、家族が飲み込むのを確認しているので「薬に執着しているので飲み忘れはないが」の部分も不要と思います

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