認定審査会に伝わる特記を書くPart2|寝返り・起き上がり

寝返り

ポイント

・「日頃から寝返りしていない」などの特記内容で「できない」を選択しているケースが多く見られます。

能力項目の場合は実際にやってもらった結果で評価し特記記載します。もしその状況が日頃の状況と異なる場合は頻度で判断し、もし実際にやってもらえない場合は確認できなかったことを記載し、日ごろの能力と選択根拠を特記に記載します。

寝返りの定義・選択基準はこちら

特記記載例と記載のポイント

記載例選択肢ポイント
側臥位でのみ寝ており、仰向けとうつ伏せになることが出来ない。できない選択基準にある“仰向けが不可能な場合、側臥位からうつ伏せに向きを変えることが出来れば「できる」を選択する”の解説を踏まえた特記と思いますが、①特記記載の状態は訪問調査時のことか日頃のことか②何かに掴まってもできないのかを記載すべきです。
指示が入らず、寝かせたらそのままで、夜間は体位交換が必要。できない”指示が入らない”のは調査の時、”寝かせたらそのまま”というのは日頃の状態と解釈しましたが、読む側が分るように①調査の際は確認動作をやってもらえたのか②確認動作をやってもらえないなら、日頃寝返りは出来ないのか、を記載すべきと考えます。
普段から仰臥位で休み向きを変えずに寝ている。寝返りする場合は介助が必要である。できない同上
帯状疱疹痛があり、仰臥位になれずいつも右側臥位で寝ており、寝返りが出来ない。できない痛みがあって寝返りしていない場合は能力ではなく日頃の状況で選択します。

 

起き上がり

ポイント

・習慣的ではなく肘や手を付いて起き上がる場合は「何かに掴まればできる」に該当しますが、その際は「手で身体を支える」または「腕に荷重して」など習慣的ではないことが判る記載をします。

・動作の確認の記載ではなく、「自分で電動ベッドのリモコンを操作して起き上がっている」と記載して「できない」を選択している場合があります。基本的には確認動作の結果あるいは日頃の能力の状況を記載します。

寝返りの定義・選択基準はこちら

特記記載例と記載のポイント

記載例選択肢ポイント
ベッド使用で、後ろに手を付き起き上がる。つかまれば可「つかまれば可」の選択は、何かにつかまる、或いは腕で支える・荷重する場合です。この特記では「できる」となります。
ベッド柵に掴まるが動作不十分で介助あり。できない”動作不十分で介助あり”の記載よりも「掴まっても自力では出来ない」のほうが解りやすいと思います。
自分で40°程度ギャッチアップ操作後健側でベッド柵に掴まり起き上がる。水平な状態からの起き上がりは出来ない。できない常時ギャッチアップしている場合はその状態から評価することになっています。”自分で40°程度…水平な状態からの起き上がりは出来ない”の件りは紛らわしいので不要と思います。日頃ベッドを水平にしていて、掴まってもできない場合は「掴まってもできない」と簡潔に記載するのが良いと思います。
ベッドのマットに肘をつき行う。つかまれば可肘をつく動作は起き上がりの際良く見られる行為です。肘などの身体の一部を支えにしないと出来ない場合は、「腕に荷重して」「肘や手で支える」と記載したほうが照会を受けないと思います。