認定調査項目を読み解くPart2|薬の内服

薬の内服

1.項目の定義

「薬の内服」の介助が行われているかどうかを評価する項目です。
ここでいう「薬の内服」とは、薬や水を手元に用意する、薬を口に入れる、飲み込む(水を飲む)という一連の行為のことです。

2.選択肢の選択基準

認定調査員テキスト参照

3.薬の内服の一連の行為について

テキストには、内服の一連の行為は①薬や水を手元に用意する②薬を口に入れる③飲み込む、と定義されていますが、実際にはこの他に「薬を飲む時間や量を理解する」がないと①の行為に繋がりません。

これは薬の管理のことで、介護者が薬カレンダーにセットしたり、のみ間違えないように薬に日付や時間を記入する行為などが該当します。

前回の「認定調査員テキスト2006 版」の「薬の内服」の定義には、「薬を飲む時間や量を理解する」が含まれており、入院や施設入所者等施設管理の場合の介助の選択基準になっていました。2009 年改訂版ではこの定義が変更され、能力勘案での選択基準はなくなりました。

しかし実際には「薬を飲む時間や量を理解する」ことは薬の内服には欠かせない条件です。用量用法の間違えは生死に関わります。

この解釈は調査員テキストに記載してある調査上の留意点[薬の内服が適切でないなどのために飲む量の指示などの介助が行われている場合は「一部介助」を選択する]に当たります。

そのため当サイトでは「薬を飲む時間や量を理解する」事も薬の内服には不可欠と考え、薬の内服の一連の行為に含めています。

4.選択の際の留意点

・内服薬の処方がない場合は、薬が処方された場合を想定して選択します。

・経管栄養等のチューブから内服薬を注入する場合も含みます。

・一部介助に含まれる見守りは、薬を飲む際に常時の付き添いがあり、指示、声かけ、確認がされている場合が該当します。

・介助されていない状況や、実際に行われている介助の方法が不適切と判断した場合は、適切な介助の方法を選択し、不適切とした理由と、選択根拠を特記事項に記載します。

5.ポイント

・薬の内服の一連の行為は以下の4点です。
①薬の管理
②薬と水を手元まで持ってくる行為
③薬を口に入れる行為
④水を口に含む行為

・一部介助に該当する「見守り」は、付き添って行われる声がけや確認のことで、飲む前に声がけしたり、飲み終わった後に飲んだかどうか確認する場合は該当しません。

・薬を飲むための水については、手元に準備することで介助とする場合と、手元に準備するとともに口まで持って行って含ませる場合を介助とする、この2つの考えがあります。保険者によって評価基準が異なりますので確認することを勧めます。なお、当サイトでは後者の場合を介助としています。

6.判断に迷うケースと選択理由

ケース例選択された選択肢選択理由およびポイント
服薬確認のために週3回ヘルパーが入り内服を確認している。介助されていない内服後の確認は該当しませんが、介助の手間があることの記載はするべきです。
薬は自分で保管し、袋から自分で出して服用。飲み忘れがないか家族が声がけして確認している。一部介助声がけや確認は内服の際に行われている場合が該当し、内服後の確認は該当しない。
一包化されているが、飲み忘れがあるため利用している小規模多機能で1日3回電話で忘れないように声がけしている。一部介助電話での声がけは一部介助の見守りには該当しない。
ヘルパーが1日2回介入し服薬支援を行っている。用意された水は自分で飲むことが出来ている。一部介助「用意された水は自分で飲むことが出来ている」とあるので一部介助であることが判りますが、特記は具体的な介助の方法を記載するものですから、丁寧な記載を勧めます。
独居で、管理も服薬行為も自分でしている。飲み忘れはないとのことだが、1種類の薬だけ全く手を付けていない。その都度の内服の確認が必要と判断した。一部介助不適切とした理由と一部介助が適切とした根拠がわかります。
グループホーム入居中で、職員が口に薬を入れ、水を飲む介助を行っている。全介助水を飲む介助について、水を手に持たせる場合は一部介助、口まで持って行く場合は全介助になります。その記載が必要です。

前回の"認定調査項目を読み解く"「薬の内服」の記事