認定調査項目を読み解くPart2|集団への不適応
1.項目の定義
「集団への不適応」の行動の頻度を評価する項目です。
ここでいう「集団への不適応」の行動とは、家族以外の他者の集まりに参加することを強く拒否したり、適応できない等、明らかに周囲の状況に合致しない行動のことです。
2.選択肢の選択基準
3.選択の際の留意点
● 一定期間の定めはありません。
● 能力の項目ですが、調査日の状況を参考に日頃の状況で選択します。
● 元々の性格や生活習慣等の理由から家族以外の集まりに入ることが好きではない、得意ではない場合は該当しません。しかし、以前からの性格であっても明らかに場面や周囲の状況に合致しないと判断される場合はこの限りではありません。
● 協調性がなく自分勝手な行動が多いために集団に拒否されて参加できない場合を含みます。
4.ポイント
●入院や施設入所などで規則を守るかどうかではなく、身近なグループや集団に対し周囲の状況に合致しない行動があるかの評価です。
●「自分気ままに行動したい性格」「集団のメンバーと気が合わないために参加しない」など、集団に参加しない「妥当」と判断できる理由がある場合は該当しません。
5.判断に迷うケースの選択肢と選択理由
ケース | 選択肢 | 選択理由/ポイント |
---|---|---|
1人の時も集団でいる時も、一つのことに集中できず動き回っている | ない | 集中力が持続しないための行動であり、集団に適応できない行動とは言えない |
DSで女性利用者に対するセクハラ行為があるため、職員の判断でテーブル席は女性の席から離している | ない | 集団に入れない状況ではなく、定義に該当しない |
現在施設入居中で、消灯時間を守らなかったり、夜でも大きな声を出すなどするため他の入居者から苦情が来ている | ある | この場合は集団生活上の規則やルールを守らない状態であり、定義に該当しない。「ない」を選択するべきです |
週2回DSを利用するが、被害妄想があり、月に1~2回DSに行きたくないと言って休む | 時々ある | DSを休む理由の記載がなく、集団の不適応に該当するか判断がつきません。この場合は「ない」を選択するべきです |
他人に気を遣う性格で以前から人付き合いは苦手だった。最近は他人にかかわることを強く拒否し、1 週間前に家族の依頼でデイサービスの説明に来た地域包括の職員を「集まりの中にはいきたくない、もう来ないでくれ」と追い返す場面があった | 時々ある | 以前からの性格であっても、家族以外の集まりに参加することを強く拒否する等、不適切な状態と考えられる場合は該当する |
施設入所中で、利用者同士で話していると「うるさい」と言ったり、自分の食事形態が隣の人と違うことを怒るなど、いつも周りに怒っている | ある | 周りに怒っていることは分かりますが、そのことが集団の不適応とまでは言えないため、選択理由の記載が必要です |
グループホーム入居中で、難聴のため他の利用者が自分の悪口を言っていると思い喧嘩になる。そのため食事の席は他の利用者と離して座ってもらっている | ある | 他の利用者と喧嘩になる状態で「集団に適応できていない」と判断したものと思われます。食事の席ではなく、集団行動についての記載があれば良いと思います |