認定調査項目を読み解くPart2|モニター測定・褥瘡の処置
モニター測定
1.項目の定義
「過去14日間に受けた特別な医療」の中の「モニター測定(血圧、心拍、酸素飽和度等)の有無」 を評価する項目です。ここでいう「モニター測定(血圧、心拍、酸素飽和度等)」とは、医師の指示に基づき、過去14日以内に看護師等によって実施された行為のみとします。
2.選択の際の留意点
血圧、心拍数、心電波形、酸素飽和度のいずれかが、24 時間にわたって継続的に測定・監視が行われているかで評価します。血圧の場合は、1 時間に1 回以上測定されている場合に限ります。
3.ポイント
該当するのはベッドサイドやナースステーションなどにモニター画面があって、継続的に測定記録し、異常時にアラームなどで教えてくれる監視装置です。
モニターで監視されている方は、術後などの急性期対応を除けば、重篤または急変の可能性のある方です。調査の際はモニター測定を必要とする疾患名と出来る範囲で身体状況の聞き取りをします。
4.判断に迷うケースの選択肢と選択理由
ケース | 選択した選択肢 | 選択理由 |
---|---|---|
転倒して大腿骨転子下骨折で入院。入院当初から頻脈がありモニター装着している | ある | モニターされているバイタル(心波形あるいは血圧など)を記載したほうが良いでしょう |
転倒して入院し、検査で腹部大動脈瘤が見つかった。現在血圧と酸素飽和度の測定が行われている | ある | モニターでの測定と思われますが、測定が24時間継続され、血圧は1時間に1回以上測定されていることを記載するべきです |
週2回の訪問看護で看護師がパルスオキシメーターで血中酸素飽和度を測定している | ない | 該当するのはモニター監視装置で24時間継続して測定している場合です。随時の測定は該当しません |
施設入所中で、ターミナル期で看取り対応となっている。日中夜間2回ずつの血圧測定が継続して行われている。 | ある | 継続して行われている場合でも、日中夜間2回ずつの血圧測定は該当しません。(選択の際の留意点参照)特記のみとするべきです |
指にパルスオキシメーターを付け、ベッドサイドで継続してモニター測定している | ある | モニター測定が24時間継続して行われている場合は該当します |
褥瘡の処置
1.項目の定義
「過去14日間に受けた特別な医療」の中の「褥瘡の処置の有無」を評価する項目です。
ここでいう「褥瘡の処置」とは、医師の指示に基づき、過去14日以内に看護師等によって 実施された行為のみです。
2.選択の際の留意点及び特記事項記載の留意点
褥瘡の部位、創の大小、処置の内容と頻度は問いません。
介護職の人が行う洗浄やガーゼ交換などは該当しません。
特記には、①部位②処置内容③処置の頻度を記載し、入院している場合は処置を行っている方の記載は不要ですが、入院以外の場合は処置を行っている方の職名を記載します。
3.ポイント
褥瘡の病期や処置内容にかかわらず、行われている処置が医師の指示によるものかがポイントです。
4.判断に迷うケースの選択肢と選択理由
ケース | 選択した選択肢 | 選択理由 |
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大腿骨頚部骨折で入院し、リハビリ目的で現病院に転院。調査前日に足踵に軽度の褥瘡がみられ、看護師がテープ保護の処置を開始した | ある | 踵の処置が医師の指示で行われ、処置が今後も継続して行われる予定である場合は該当します |
脳梗塞後遺症でベッド中心の生活。小規模多機能の訪問を週5回、入浴目的の通いを週2回利用している。訪問時は介護職員が、通い時は看護師が処置を行っている | ある | 処置が医師の指示で行われている場合は該当します。この場合訪問時の処置は該当ならず、通い時の処置が該当します |
小規模多機能施設の連泊を利用。右大転子部がすれて痛みがある。 一時は表皮剥離があったが現在は発赤程度の状態。現在施設看護師が状態観察と処置をしている | ある | 行われている処置が医師の指示の下で行われている場合は該当します |
現在施設入居中で、慢性腎不全などがありベッド中心の生活。仙骨部の表皮剥離を繰り返し、現在フィルムでの保護が行われている | ある | フィルム保護であっても医師の指示で看護師等によって行われている場合は該当します |
糖尿病による末梢循環不全からの壊死があり、医師の指示で看護師が連日処置を行っている | ある | 褥瘡ではなく末梢循環不全からの壊死と診断されているは該当しません。「ない」を選択して特記のみとするべきです |
現在施設入所中で、褥瘡に対して週2 回非常勤の看護師が処置を行い、それ以外の日は介護職員が処置している | ある | 14 日以内に継続的な看護師の処置がある場合は該当します。実際に治療用のフィルムによっては毎日の処置は不要で、創の観察だけで良い場合があります |
入院中から褥瘡があり、治癒しない状態で1 週間前自宅に退院した。現在は家族が処置を継続している。今後は往診と訪問看護を利用予定になっている | ある | 一時的に家族が処置中だが、1 週間前まで看護師によって処置が行われ、今後は往診等で処置が継続されると判断できる場合は該当する。状況を特記事項に記載します |
褥瘡は治癒しているが、医師の指示で予防的に軟膏の塗布が看護師によって継続して行われている | ある | 褥瘡が治癒している場合であっても、医師の指示で行われている予防処置は該当します。状況を特記に記載します |