認定調査項目を読み解くpart2|拘縮の有無
拘縮の有無
1.調査項目の定義
ここでいう「拘縮」とは、対象者が可能な限り力を抜いた状態で他動的に四肢の関節を動かしたときに、関節の動く範囲が著しく狭くなっている状況をいいます。
2.選択肢の選択基準
3.選択の際の留意点
・装具や介護用品、器具類を使用している場合は、使用している状態で選択します。
・疼痛のために関節の動く範囲に制限がある場合はそれ以上は動かさず、そこまでの状態で評価します。確認はゆっくり、対象者の表情を見ながら行いましょう。
・TKA(人工膝関節置換)術後の方は、膝関節の可動域制限(屈曲制限)があり、まっすぐには伸ばせるが90°まで曲げられない方がいます。
・四肢が欠損していることによって目的とする確認動作が行えない場合は、欠損している部位の選択肢も選択します。
4.ポイント
・「拘縮」と「可動域制限」は同義語です。特記にはどちらで表現しても構いません。
・著しい可動域制限がある場合が拘縮に該当することになっています。著しいかどうかは調査員の判断になります。
・拘縮と判断したことが妥当であるかどうかを評価してもらう意味でも、四肢の関節を選択した場合はそれぞれの可動域制限角度を「約○○度」と記載するようにします。
・テキストには膝関節の可動域制限について詳しい解説がありません。
認定調査の現場で多いのは膝の可動域制限、特に膝が伸びない伸展制限(屈曲拘縮)です。この可動域制限がどの程度あれば著しいと判断するべきかは調査員の判断ですが、30°を目安に判断するのが妥当と考えます。
・肩、股、膝以外の関節(首、腰、肘、手など)の拘縮、或いは四肢の一部に欠損がある場合は「その他」を選択します。
ただし「その他」を選択しても「麻痺等の有無」と同様、樹形モデルの分岐や中間評価項目得点に含まれないので一次判定には反映されません。「その他」は特記記載のためにあると思ってください。
もし、その他を選択し、その拘縮が2群の生活機能項目や5群の社会生活項目での介護の手間に関与していない場合は、ここの特記に具体的な介護の手間や状況を記載します。