認定審査会に伝わる特記を書く|一人で出たがる・収集癖

一人で出たがる

ポイント

この<4-9一人で出たがる>行為には<4-8落ち着きなし>の行為が含まれていると解釈し、特記を記載している方が多いようです。
一人で出たがるの場合は帰宅願望以外の「外に出ようとする行為」の有無を評価し、落ち着きなしの場合は「帰宅願望からの行為」の有無をを評価するものです。

 

特記例選択肢ポイント
一人で外出する機会が多く、問題なく帰って来ることが多いが、半年に一度ほど迷子になる時があり、家族は気に掛けている。しかしプライド高く家族は外出を止められない。先月にバス停からの道が判らなくなり迷っていたところを知り合いに助けられた。あるこの場合、外出行為が問題なのではなく、戻れなくなることがケースの主旨と思います。この場合は、「3-9外出して戻れない」に該当すると思われます。
どこかに行こうとするので目が離せない。 ある 「外に出ようとする」という記載がなく、また具体的な状況と頻度が記載されていません。定義を踏まえた記載をするべきです。
サ高住に入居中で、一人で外へ出ていく行為がここ3か月で4回ほどあり、職員が探しに行く必要があった。現在は玄関を施錠しており出ていくことはない。ない「ここ3か月で4回ほどあり」の表現だと時々あるに該当するのか判断できない。「ない」を選択していることから「ここ1か月ではない」を追記するべきでしょう。
施設内を徘徊する行為が毎日あり、時には玄関先まで行ってしまうことが週に1∼2回あり、職員が駆けつけて対応している。ある
(同じ特記で3-8徘徊も「ある」を選択している。
「玄関先まで行ってしまう事は外に出ようとする行為と判断した」と追記するべきと考えます。
帰宅願望が強く、毎日夕方になると「子供が具合悪くなったので家に帰らなければならない」と言って外に出ようとするので目が離せない。ある「外に出ようとするため目が離せない」と記載していますが、特記の内容は「4-8落ち着きなし」に該当するものです。この場合は「ない」を選択するべきでしょう。
グループホーム入居中で、一人で外に出たがり、制止すると怒り出すため時間を決めて散歩することになった。迷子になることはないが、遅い時間や天候が悪い時に行くことを止めると怒り出す。ある
(4-3感情不安定は「ない」を選択)
この内容では「4-3感情が不安定」の特記ともとれるので、「止めても外に出ようとするため目が離せない」を追記するべきでしょう。
施設入所中で、夜間に「家に帰る」と落ち着かず、一人で玄関から出ていこうとする行為が週に1回以上ある。ある
(この特記で、「4-8落ち着きがない」「4-9一人で出たがる」の2項目を説明している)
「4-8落ち着きがない」と「4-9一人で出たがる」の違いは帰宅願望に伴う行為かどうかです。この場合は「一人で出たがる」項目は「ない」を選択するべきです。

 

収集癖

ポイント

収集癖の場合は、明らかに周囲の状況に合致しない、集める行為が場面にそぐわない或いは度を越している状況の場合が該当します。

収集癖の場合は、集めていた行為の有無が結果としてはわかるものの、集める行為の頻度が判らない場合があります。このため頻度を特記に記載しないで提出するケースを見かけますが、審査会事務局からの照会を避けるためにも頻度を含めた選択理由をきちん記載することが必要です。

 

記載例選択肢ポイント
ティッシュなどの紙類をポケットに詰め込んでいる。ある該当するのは「明らかに周囲の状況に合致しない」行為です。この特記ではそれを説明できているとは言えません。収集癖と判断した具体的な状況を記載すべきと考えます。
軽費老人ホーム入居中で、他の人が捨てた菓子の空き箱やペットボトルなどを集めており、部屋中に散乱している。いつ収集しているか判らないとの職員談。ある収集癖の典型例ですが、いつ収集しているか判らないとしつつ「ある」を選択した理由(頻度)を記載するべきです。
夫と長男との3人暮らしで、届いた郵便物を自分でしまって見つけられないことが週に1∼2回ある。ある自分でしまっていることを収集癖と判断したものと思われますが、この場合は収集癖ではなく4-12ひどい物忘れに該当するものと考えます。
施設入所中で、施設のカウンターなどにメモ用紙などが置いてあると自分のものと勘違いして自室に持って行く。ある収集癖に該当するのは「無断で持って行く」行為であり、この特記の場合は「勘違い」としているので該当しないと考えます。
食品容器を自室に持って行くため自室内は容器が散乱している。家族は容器を小さく切ってゴミ袋に入れるようにしている。ある頻度の記載が必要です。
1か月前にドラッグストアで化粧品を万引きした。店員の話では、以前から商品が無くなっており、それも対象者が盗った可能性があるとのこと。ある「ある」を選択するのは、1週間に1回以上の頻度でその行為がある場合です。「ある」を選択した理由の記載が必要です。
お菓子の包装紙などを大事に箪笥にしまい込んでいる。ある調査員テキストでは同じような例を挙げて「ない」を選択しています。該当するのは「明らかに周囲の状況と合致しない行為」ですから、この場合は該当しないと考えます。
ディサービスに持って行くバックの中にティッシュペーパーとハンカチが山のように入っていた。ある上のケースで述べたように、該当する行為は「明らかに周囲の状況と合致しない行為」です。このケースは必要以上に入れてあるという状況で、不適切とまでは言えないと考えます。「ない」を選択し、特記のみにするべきと考えます。