認定調査項目を読み解くPart2|自分の名前を言う/今の季節を理解する

自分の名前を言う

1.項目の定義

「自分の名前を言う」能力を評価する項目です。
ここでいう「自分の名前を言う」とは、自分の姓もしくは名前のどちらかを答えることです。

2.選択肢の選択基準


認定調査員テキスト参照

3.選択の際の留意点

・自分で言う場合でも、呼名に返答する場合でも、正しい場合は「できる」と判断します。
・旧姓でも正しく答えることができれば「できる」と判断します。
・言葉や筆談でなくても、身振り手振りで理解していることがわかればできると判断します。
・調査日の状況と介護者から聞き取りした状況が異なる場合は、一定期間(調 査日より概ね過去 1 週間)の状況においてより頻回な状況に基づいて選択します。その場合は選択した根拠等について、具体的な内容を特記事項に 記載します。

4.ポイント

・ポイントは自分の名前を言うことが出来るかではなく、自分の名前が何であるかを理解しているかです。
・発語がなく、質問に対して頷くなどで反応している方の場合は、あえて違う名前で呼びかけて否定するかで判断することを勧めます。

5.選択に迷うケースの選択肢と選択理由

ケース/記載例選択肢選択理由
調査の際は起きており呼名に返答した。日頃ベッド上生活で傾眠がちで、声がけしても反応がないときが多いが、覚醒している時は名前を呼ぶと返答するとのこと。できる覚醒している時の状況で評価する。
脳梗塞後遺症による失語があり、意思の伝達はできる時とできない時がある。調査員が生年月日を言い「間違いないですか?」と聞くと首を傾げたが、自分の名前には頷いた。できる意思の伝達ができる状態ではYES/NOの反応をしていることから理解できていると評価してよいと思います。
失語症がある。名前を聞くと傍らにあった自分の杖に書いてある名前を指さした。できる身振りから理解していることが確認できます。
自分の名前を答えることはできないが、名前を呼ぶと顔を上げて呼んだ人の顔を見るできない介護者からも日頃の状況を確認しますが、呼名に返答する、または頷く行為がある場合「できる」と判断出来ますが、顔を上げるのみでは正誤の判断ができないため「できない」の選択が妥当です。
精神状態に波があり、調子が良い時は呼名に返答するが、調子が悪い時は何の反応もない。調査の際は返答したが、日頃は反応がない時が多いとのこと。できない調査時の状況と日頃の状況が異なる場合は、過去概ね1週間のより頻回は状況で選択する。

”生年月日を言う”に関連した過去の記事

認定調査項目を読み解く|短期記憶・自分の名前を言う

認定審査会に伝わる特記を書く|自分の名前・季節を理解

 

今の季節を理解する

1.項目の定義

「今の季節を理解する」能力を評価する項目です。

2.選択肢の選択基準

認定調査員テキスト参照

3.選択の際の留意点

・ 一般的に言う季節はいわゆる新暦ですが、旧暦で答えた場合でも合っていれば正答とします。
・多少の季節のずれは理解できているとしますが、一か月以上のずれがある場合は出来ないと評価するのが妥当です。
例:「初夏」と答えた場合、カレンダー上は5月又は6月が該当しますが、調査日が3月や8月の場合は「できない」と評価するべきでしょう。
・ 自分が外やTVで見た風景を季節として話す方がいますが、いわゆる「季語」をもって季節を理解できているとは判断できないため、その際は再度季節を問うて選択します
・ 調査日の状況と介護者から聞き取りした日頃の状況が異なる場合は、一定期間(調査日より概ね過去 1 週間)の状況においてより頻回な状況に基づいて選択します。その場合は選択した根拠等についてを具体的な内容を特記事項に記載します。

現代の季節(太陽暦による。三省堂 国語教科書より)

         季節

          月

          春

        3・4・5

          夏

        6・7・8

          秋

        9・10・11

          冬

        12・1・2

旧暦の季節と新暦の月の関係

        旧暦の季節

       新暦の月

          春

     1・2・3

          夏

     4・5・6

          秋

     7・8・9

          冬

    10・11・12

 暦が旧暦から新暦に変更なったのは明治6年で、明治43年には完全に官暦としては使用されなくなりました。ですから、現在存命の方は全て新暦(太陽暦)の教科書で習ってることになります。実際、旧暦の季節で答える方はほとんどいません。

もし季節の質問に対する答えが一般的に考えられるものと違う場合は、「なぜそう思うか」を聞いてみるのが良いと思います。ただし、理由が答えられなくても正答している場合は「できる」を選択することになります。

4.ポイント

・訪問の際の質問に対する答えは勿論ですが、念のために日頃の状況も確認しましょう。
しかし身近な介護者でも日ごろ対象者がその時々の季節を理解しているかどうかは判断出来ないと思いますので、調査時の対象者の返答で選択することになるのはやむを得ないでしょう。

・カレンダーや新聞を見て答える方がいますが、認知症がある方はほとんどの場合カレンダーの月や風景、新聞の日付や見出しを読んでも季節は分かりません。また、それらを見て正答できた場合は月と季節の関係が理解できているということですから、カレンダーを見て正答した場合でも「できる」として問題ないと考えます。

5.判断に迷うケースと特記例、およびその選択肢と選択理由

ケース・/記載例選択肢選択理由
(7月末の調査)今は夏と答えたが、「普段は季節にそぐわない服装や言動があり理解ができていない」と職員から聞き取る。できない高齢者は夏場でも長袖を着る場合があり、服装からの判断はできないと考えます。「今は夏」と答えていることから「できる」と評価するべきです。
12月初めの調査で、今の月は答えられないが季節は「寒いから秋」と答える。季節を理解しているのか不明。できる多少の季節のずれは大丈夫で、また「寒いので秋」と答えていることから理解は概ねできていると判断してよいと思います。
今が何月か答えられなかったが、質問の直後に壁のカレンダーを見て「3月」と言い、「3月ならそろそろ春か」と答えたことから「できる」を選択する。できるカレンダーを見て答えた訳ですが、「3月ならそろそろ春」と月日で季節が判断できていることから問題ないと思います。
9月初めの調査で、月日は答えられないが季節は「夏」と答える。なぜ夏と思うかを聞いても答えられないできる季節に多少のずれがあっても正答とします。また厳密な季節の判断理由までは問いません。
質問直後は当日の月日と季節を答えられなかった。その後壁に掛かっているカレンダーを見て、月日と季節を正答した。カレンダーには季節のヒントになるものはなかった。家族は対象者が日頃季節を理解しているかどうかは判断できないと言うできるカレンダーには一般的に季節は記載されておらず、また月日を問う項目ではないので「できる」と判断してよいと思います。
7月末の調査の際「季節はそろそろ秋」と答えた。家族の話では日頃「春なのに毎日暑いね~」と言っているとの事できない旧暦では秋でも間違いではないが、日頃の言動から季節を理解していないと評価したケース。

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