認定審査会に伝わる特記を書くPart2|排尿・排便

ポイント

排尿・排便の特記は、介助の方法がどちらも同じことが多く、特記も同じ行内に一緒に記載している方が多いようです。

一緒に記載する時に気をつけたいのは、排尿と排便それぞれで文章をまとめ、排尿と排便の介助状況が混ざってしまわないようにすることです。
説明が紛らわしく、長文になる場合は敢えて一緒にはせず、排尿と排便を別々に記載することを勧めます。

また、一部介助であれ全介助であれ、特殊な介助でない限りは「一連の行為」という表現を使って介助の方法を説明したほうが見た目もすっきりし、読む側も判りやすいと思います。

排尿

特記記載例選択肢ポイント
トイレで排尿するが失禁があり尿取りパットを使用している。適当なパット交換が出来ないため時間を見て交換の確認や指示、声がけをしている。見守り「適当なパット交換が出来ないため」の部分は、適当ではなく適切と表現するべきです。
また、「時間を見て」の部分は適宜と表現するべきと思います。見守りは排尿時に付き添うのが原則ですからこの場合は該当しないと考えます。
トイレには行くが間に合わず失禁が多くなっている。伴って下着の汚れや尿臭が強く、妻は着替えを準備し、汚した下着は一度下洗いしてから洗濯するなど手間が増えている。見守り介護の手間の記載だけになっており、現在の状況が不適切と判断して見守りを選択したことが記載されていません。
長男と二人暮らしで日中は独居。リハビリパンツとパット使用。尿意がありトイレで排泄し一連の行為は自分でやっているが便器周囲を汚してしまい、長男が帰宅後に気付いて掃除をしている。一部介助長男が行っている掃除は対象者が汚したために行っているので日常的な掃除ではないと考えます。ただし頻度によっては該当ならないケースなので頻度の記載が必要と思われます。
現在入院中で紙パンツにパットを使用。昼夜トイレで排泄。下剤内服にて排便コントロール中。夜間のみ尿失禁あり。汚染パンツの交換やズボンの上げ下げは看護師が介助。拭き取りや水洗は自分で出来る。一部介助短文で句点が多く、箇条書きを横につなげたような文章です。汚染パンツの交換やズボンの上げ下げ介助が日中も行われているかの記載がないので一部介助に該当するか判断できません。また、「下剤内服にて…」の件は不要と思います。
尿取りパットを使用。失敗してもそのままにしていることが多いので定時に介護者が確認し交換している。一部介助失禁の確認のみの場合は見守りには該当せず、パット交換介助も頻度が少なければ該当しません。交換している頻度を記載するべきです。
紙パンツ使用。尿意がありトイレには一人で行くが失禁がある。何度も声がけすると機嫌が悪くなるので家族は介助していない。週3回DSに行っているが、朝DSに着いた時には多量の失禁があり、職員が紙パンツとズボンを交換している。一部介助現在の状態が不適切であると判断しての選択と思われますが、適切な介助の方法として「見守り」ではなく「一部介助」とした根拠を記載するべきです。
現在SS利用。日中トイレ、夜間Pトイレ、尿取りパット使用。職員が1日1回Pトイレの掃除を行っている。便がゆるい時は間に合わずパットに便失禁あり、パット交換の介助を受けている。一部介助排尿と排便をまとめて記載しているため状況が分かりにくくなっています。この場合は排尿と排便を分けて特記記載するべきです。

排便

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