認定調査項目を読み解くPart2|一人で出たがる・収集癖

一人で出たがる(一人で出たがり目が離せない)

1.項目の定義

「一人で外に出たがり目が離せない」行動の頻度を評価する項目です。

2.選択肢の選択基準

認定調査員テキスト参照

3.選択の際の留意点

・ 家に帰りたい等ではなく、理由もなく外に出たがり目が離せない状態が該当します。
・ 自分一人では移動できない場合は該当しません。
・ 実際に外に出るかは問いません。
・一定期間内(概ね過去1 か月間)であっても、予防的手段や対策をとったことで外に出ようとする行為がなくなった場合は該当しません。あくまでも現在の環境でその行為が発生したかで選択します。また、予防的手段や対策をとらない場合の状況を含め、実際の状況を出来るだけ特記事項に記載するようにします。

4.ポイント

「家に帰る」「○○に行く」などの明らかな目的がないにも拘らず外に出ようとする場合が該当します。
ただし、対象者自身には目的や理由があっての行動だとしても、状況からみて不適切と判断できる場合は該当します。

対応策をとったことで外に出ようとする行為がなくなった場合は該当しませんが、玄関に鍵をかけた、あるいは出口の前に物を置いたために外には出られない状況であっても、出ようとする行為がある場合は該当します。

5.判断に迷うケースの選択肢と選択理由

ケース選択した選択肢選択理由とポイント
施設入所中で、以前勝手に施設外に出て行くことがあったが、現在は玄関に行こうとしている時は職員が話しかけ、他の事に気を向けさせているため玄関に行くことはないない玄関まで行くことが無い場合は外に出ようとする行為に至らないとして「ない」を選択します。玄関まで行ってしまう場合は「ある」として良いと思います。
家族が出かける際は玄関を外から施錠しているが、それでも窓から出て行ってしまう時が月に1∼2回ある。時々ある外に出る目的が判らない場合は「一人で出たがる」に該当します。
グループホーム入居中で、一人で外に出たがり、制止すると怒り出すため時間を決めて一人での散歩が許可された。遅い時間や天候が悪い時に行くことを職員が止めると怒り出す。時々ある状況からみて不適切と判断し、妥当な選択と思います
グループホーム入居中。帰宅要求あり、荷物を持って玄関から出て行こうとするため目が離せない。時には制止を振り切って外に出てしまうこともある。ある(この特記で4-8落ち着きなしと共に「ある」を選択)この場合は帰宅願望があるので4-8落ち着きなしと評価するべきです
どこかに行こうとするので目が離せない。ある帰宅願望からの行動ではない、あるいは帰宅願望からの行動かどうか判らない場合は該当します。

前回の「一人で出たがる」の記事

 

収集癖(いろいろな物を集めたり、無断で持って来る)

1.項目の定義

「いろいろな物を集めたり、無断で持ってくる」行動の頻度を評価する項目です。ここで言う「いろいろな物を集めたり、無断で持ってくる」行動とは、いわゆる収集癖の行動のことです。

2.選択肢の選択基準

認定調査員テキスト参照

3.選択の際の留意点

昔からの性格や生活習慣で、箱や包装紙など集めたりすることではなく、明らかに周囲の状況に合致しない行動のことです。

4.ポイント

集めることに意味がないと思われるものを集めたりしまい込む、集める目的が分からない、などの状況があり、それが度を越している、明らかに周囲の状況に合致しない場合などが該当します。また、自分の物でないものを無断で持っていく場合も該当します。

5.判断に迷うケースの選択肢と選択理由

ケース選択した選択肢選択理由およびポイント
施設入所中。職員が段ボールごみを捨てていると、必要もないのに「俺が使うからくれ」と言って持って行く事が月に1~2回ある。時々ある判断ポイントは「状況からみて不適切」或いは「周りの状況に合致しない」かです。“必要もないのに”とありますが、状況からみて不適切とした根拠を記載するべきと考えます。
自宅の台拭きが無くなると思ったら本人の部屋から3~4枚出てきた。また、古いマスクや古い新聞紙を自室の箪笥にしまい込んでいる。家族も年中確認していないので頻度は分からない。時々ある収集癖と評価してよいと思います。また頻度については調査員の判断で良いと思います。
自分の物と他人の物の区別が付かず、「私のものだ」と言って服などを収集することが、月に1回ほどある。時々ある「服などを収集…」と記載がありますが、この場合は「収集」には該当しないと考えます。作話あるいは勝手な行動で評価するべきと考えます。
使用済みのティッシュペーパーをポケットに詰め込んでおり、家族が洗濯する時の手間になっている。ある高齢者に多い行動で、不適切な行動とまでは言えないと考えます。「ない」を選択して特記のみとするべきです。
汚れた紙パンツを捨てないでベッドの下などに集めており、介護者が片付けている。あるこの場合は「集めている」のではなく「隠している」状況ですので、収集癖ではなく不潔行為として「勝手な行動」に該当するものです。
老人ホーム入居中で、トイレの手洗い場の手拭きペーパーを毎回大量にとり、車椅子のポケットやベッド上に置いておく。ある明らかに「状況からみて不適切」と判断出来ます。

前回の収集癖の記事