認定審査会に伝わる特記を書くPart2|感情が不安定

特記記載のポイント

怒ったり、悲しんだりなどの喜怒哀楽の行為が、その状況や場面にそぐわない場合が該当します。特記には状況や場面にそぐわないことが判る記載をする必要があります。

 

記載例選択された選択肢ポイント
運転免許を返納したため外出機会が減ってイライラしており、ちょっとしたことで家族を怒鳴ることがある時々ある第4群は状況や場にそぐわない行動が該当しますが、この特記では状況にそぐわないとは言えないと考えます
家族の話では急に怒り出すことが最近増えて来たとの事あるイメージとしては分かりますが、「ある」を選択する具体的な頻度や状況の記載が必要です
脳梗塞後遺症による言語障害があり、身振りや声を出して相手に伝えている。うまく相手に伝わらないと感情的になり、興奮する。あるこの項目は認知症の周辺症状を評価するもので、うまく相手に伝わらないと感情的になることは該当しないと考えます。状況にそぐわないと判断した場合はその理由を記載をすることが必要です
老人ホーム入所中で、大声で怒ったり他の利用者とトラブルになりかけることがあり職員がなだめているある大声で怒ること状況が不適切だと判る内容の特記にするべきです。「特別の理由もなく」など、状況が分かる記載することを勧めます
入浴や更衣の拒否が強く、怒ったり大声で暴言を吐く介護抵抗と感情不安定で「ある」を選択第4群は状況にそぐわない場合が該当します。介護に抵抗する状況では怒ったり大声を出すことは当然なことで、この場合は介護抵抗のみ「ある」を選択するべきです
人工透析を週3回行っており、透析終了後はいつも気分が落ち込み、医院の看護師が何度もなだめたり声がけをしているある認知症の周辺症状を評価するものであり、この場合は場にそぐわないとは言えず、特記のみとするべきです
現在入院中で、点滴治療中だが点滴を抜いてしまうためやむを得ず体幹と手が拘束されている。「何で動けなくするの?」と泣き出すことがある。感情不安定、介護抵抗、自分勝手に行動する、の3項目で「ある」を選択泣き出していることが選択理由と思われますが、状況にそぐわない言動とは言えず、感情不安定には該当しないと考えます
場面に関係なく大きな声で笑うことが日常的にあるある場面に関係なく笑う行為を感情不安定とした理由と思われますが、この行為は独り笑いに該当するものです
日常的に不安や被害的な考えがあり、兄弟や知り合いに頻回に電話して「誰かが家に入ってきている」「すぐ来て欲しい」などと興奮して訴えるため周りは迷惑しているある被害的であり、自分勝手に行動するにも該当すると思われますが、興奮することだけで感情不安定とするのは適切とは言えません

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