認定審査会に伝わる特記を書くPart2|介護に抵抗する

ポイント

 拒否と抵抗は同じ意味と捉えている方が多く、特記に「拒否する」と記載して「時々ある~ある」を選択している場合が多く見られます。

保険者によっては拒否は「介護に抵抗する」の定義に該当しないとしているところもあるため、特記には具体的な状況とともに「拒否」ではなく「拒絶」あるいは「抵抗」と記載することをお勧めします。

特記記載例とポイント

記載例選択した選択肢ポイント
自尊心が強く、被害妄想もあり、職員の介護を強く拒否する。時々ある「強く拒否する」と記載がありますが、この記載では介護抵抗に該当しないとされる場合があります。「説明説得が効かない」「頑として受け付けない」など、抵抗と評価した理由を付け加えることを勧めます。
オムツを使用しており、排泄介助に抵抗し、確認や交換の際は毎回「何するんだ!」と言ってズボンを掴んで離さないある“ズボンを掴んで離さない”の抵抗行為の記載があり分かりやすいと思います
サ高住入居中で、職員の声がけに対して怒ることが多く、「何でそんなことを言う」「分かっている」などと言って抵抗するため、時間をおいて再度声がけするなどの対応が必要あるこの記載からは抵抗ではなく拒否にあたるものとの印象を受けます。「ない」を選択して介護の手間のみを記載すべきと考えます
右片麻痺があり日常生活全般に介助が必要だが、介助を受ける際は毎回の様に「嫌だ」と言って言葉や態度で拒否するある「言葉や態度で拒否する」とありますが、何の介助に対してどのような態度で拒否するのかを具体的に記載するとともに、「拒否する」ではなく「抵抗する」と記載することを勧めます
小規模多機能の通いを利用中だが、体調不良や腰が痛いと言って利用を拒否しており、家族が利用を勧めても全く聞く耳を持たず抵抗する。尿失禁しても紙パンツの交換をさせてくれない状態。ある「抵抗する」とありますが、この場合は拒否に該当するもので、介護抵抗には該当しないと考えます
身体援助に対して頑として拒否する。手を振り払うなどの行為はないが強い口調で拒否するため介助できない。あるこのようなケースは介護抵抗と判断してよいと思いますが、併せて、対応に苦慮している事や抵抗に関連した具体的な手間を記載するべきです
サービス利用は頑なに拒否し、通院を促しても拒否することがある。あるこの場合は抵抗ではなく拒否と判断し、「ない」を選択して特記のみとするべきです

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