認定調査項目を読み解くPart2|特別な医療>点滴の管理

点滴の管理

1.項目の定義

「過去14日間に受けた特別な医療」の中の「点滴の管理の有無」を評価する項目です。
ここでいう「点滴の管理」とは、医師の指示に基づき、過去14日以内に看護師等によって実施された行為のみとし、急性期の治療を目的とした点滴は含みません。

2.選択の際の留意点及び特記事項記載の留意点

  • 継続して実施されているものが対象で、急性疾患や急性期の対応で一時的に行われている医療行為は含まれません。
  •  過去14 日以内に行われたものであっても調査時点ですでに終了、治癒している場合は継続して行われていないため該当しません。
  •  この項目の実施状況は対象者、家族、または看護師からの情報で判断し、状況を確認するために医療機関や訪問看護ステーション等に問い合わせをすることは、守秘義務や治療内容の告知の観点から適切ではありません。
  •  実施頻度、継続性、実施者、当該医療行為を必要とする理由を記載します。また、分かる範囲で当該行為にかかる時間も併せて記載します。
  •  急性期対応かどうかの判断ができない場合は、開始時期や終了予定時期などを特記事項に記載します。

3.ポイント

調査の際に点滴が行われているかで判断するものではありません。

過去14日間にうけた特別な医療について、該当する行為は

①医師の指示によって行われている事
②継続して行われている事
③過去14日間以内に該当する医療行為が行われ、それに医師や看護師の関与があること

注意:現在行われているかが判断基準ではありません。

抗がん剤、脳梗塞治療薬、などには、一定期間点滴で投薬したあとに数週間休薬する期間を1クールとしてそれを繰返す場合があります。また、貧血で輸血を行う場合は、検査結果を見て輸血を行うかを判断されます。

この他に多く見られるのが、食事が摂れないために補助的に点滴による輸液を行っている場合です。この場合は、定期的ではなく食事量に合わせて点滴することになります。

このように、点滴が現在行われていない場合でも、今後も継続的に行う予定になっている場合がありますので注意が必要です。

4.判断に迷うケースの選択肢と選択理由

ケース選択された選択肢ポイント
2週間前、消化器出血で入院。高度貧血となり3日間輸血を行い、1週間前に退院した。現在寝たり起きたりの生活で、週2回DSに通っている。調査当日が受診日で採血を行った。今後は結果を見て必要ならば入院して輸血治療を行う予定。あるこの場合、継続して行われるのは受診や検査であり、輸血ではないので該当しない。また、採血の結果を見て輸血または点滴が行われる場合は、継続してその行為が行われているとは言えない。
ALSの治療で9日前から入院中。2週間の点滴治療予定になっており、5日後に点滴が終了し退院予定。あるあるに該当する。「5日後に点滴が終了し退院予定」とあるが、この治療は2週間点滴して2週間休む、計4週間を1クールとする治療法で、これを必要に合わせて繰返すようです。
「5日後に点滴が終了し退院予定」と記載すると継続して行われる医療ではないように受け取られますから、今後も継続して行われるということを記載したほうが良いでしょう。
在宅で抗がん剤治療中。3週間前に2泊3日で入院して点滴治療おこなった、現在3週間の休薬中で、3日後に再度2泊3日で入院し、抗がん剤の点滴を受ける予定になっている。現在訪問看護を週1回利用している。あるこの場合、継続して点滴治療が行われていますが、14日以内に点滴は行われていないので該当しません。特記のみとなります。
一ヶ月前に脱水で入院。現在もリハビリ目的で入院している。食事量が少ないため毎日補液目的で点滴をしている。点滴終了と退院の予定は未定。あるこの場合、現在も点滴しており、点滴終了の予定もないことから該当します。
入院中に急に具合が悪くなり、調査2日前から点滴が開始された。今後も点滴が続くかは不明ない急に具合が悪くなったことで「ない」を選択していますが、継続して点滴する可能性があり、終了予定がない場合は「ある」に該当する

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