認定審査会に伝わる特記を書く|聴力・移乗
聴力・移乗
聴力
特記例 | 選択肢 | コメント |
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失語症があり話すことはできない。調査の際は話しかけてもこちらを見るだけで返答することはなかった。施設職員の話では、日頃普通の声で話しかけると振り向いたり、笑顔をつくるとのこと | 普通 | 調査時の状況と日頃の状況が違うことを記載し、日頃の状況と選択した理由を記載する |
普通の大きさの声に時々聞き返しがある。補聴器を使えば聞き取れるが、嫌がって日常的には使っていない | 普通の声がやっと聞き取れる | 補聴器を日常的に使っていない場合は使用しない状態で判断する。日頃補聴器を使っていない事と、使わない場合の聴力の状況を記載する。 |
意識障害があり意思疎通ができないが、近くで大きな音がすると驚いて身体をビクッとさせる | 大きな声が何とか聞き取れる | 意思疎通ができないが、音に対する反応があることで選択したことを記載する |
日頃から耳元で大きな声で話すと簡単なことは聞き取れるが、細かいことは聞き取れない。そのため詳しいことは筆談で伝えている。調査は質問が聞き取れず筆談で行った | ほとんど聞こえない | 日頃から大きな声でも聞き取れず筆談が必要な状況であることと、調査時は筆談が必要であったことを記載する。 |
施設入所中。認知症があり、ベッド上生活で会話はできない。職員が話しかけると相手の顔をじっと見るが、話の途中で視線を逸らし独り言を言い始める | 判断不能 | 調査時と日頃の状態からも聞こえているか判断がつかない具体的な状況を記載する |
移乗
介護認定調査員の部屋では、“座った状態から立ち上がり、歩いて移動して椅子などに座る行為”を移乗行為にしています。この点については当サイトの“調査項目を読み解く2018年11月”移乗のポイントの欄で説明していますのでご覧ください。
特記例 | 選択肢 | ポイント |
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独居で、膝痛のために床から立ち上がる際は掴まる物がある所まで這 って行く必要がある。掴まって立ってしまえば杖を支えにして移動し、椅子や便器に座る際も身近なものに掴まれば転倒することなく一人でできる | 介助されていない | 膝痛があり立ち上がることが大変な状況を記載し、一旦立ってしまえば移乗行為は支障なく出来る状態と「不適切な状態」には当たらないと判断したことを記載する。 |
現在施設入所しており、歩行の際はキャスター付き歩行器を使用している。歩行器に掴まって立ち上がったり、歩行器から椅子に座る際不安定なために部屋を介護ステーションから見える場所に移動し、立ち座りの際は職員がステーションから注意して見ている。 | 介助されていない | 付き添っての見守りではないために見守りの選択は出来ないが、立ち座りが不安定なために遠位見守りが行われていることを記載する。 |
施設入所中で、対象者が車椅子からテーブル椅子等に座る際、施設職員が毎回椅子を引いたり押し入れる介助をしている | 見守り | 見守りに該当する「椅子を引いたり押し入れる」介助がされていることを記載する |
現在入院中で、車椅子はベッドから離れた所に置いてある。車椅子に移乗する際は毎回看護師が車椅子をベッド脇に運び、乗り移りを付き添って見守りしている | 見守り | 移乗のために車椅子を準備する行為は見守りに当たらないが、車椅子移乗の際に見守りが行われていることを記載する。 |
日頃自宅内は歩行器で移動し椅子等に座る生活で直接の移乗行為はない。椅子や便器に座ったり立ち上がる際等は毎回腕を支える介助がされている | 一部介助 | 日頃直接移乗の機会がない場合は、椅子や便器に座る、そこから立ち上がる行為を移乗行為として評価し、実際に行われている介助の方法を記載する。 |
認知症があり失行状態である。トイレや食堂に手引き誘導しても、どうしたらよいのか判らず便器や椅子の前で立ちつくすため、毎回声掛けしながら腰をもって座らせる必要がある | 一部介助 | 自発的に移乗行為ができないために、一部介助に該当する「手を添えて移乗の促しが行われている」状況を記載する |
腰痛症と変形性膝関節症があり布団にほぼ寝たきり状態。日頃移乗に援助はないが、布団から立ち上がる際は一旦うつ伏せになり杖を支えにようやく立ち上がり、また便器からの立ち上がりも痛みを我慢してようやく行っている状態。対象者は家族に気兼ねして援助を頼んでいない。 | 一部介助 | 実際には介助されていないが、痛みがあって日常生活に支障がある状態。不適切な状態として、適切な介護の方法を選択する。①具体的な状況②不適切と考える理由③選択肢の選択根拠を記載する |
寝たきりで移乗の機会はない。自分では寝返りできず、体位交換の際は毎回看護師が腰を持ち上げて身体を移動し向きを変えている | 全介助 | 一般的な移乗機会がない場合、ベッド上で臀部を動かす行為を移乗行為とする。この行為に対して行われている介助の方法を記載する |
移乗は全介助されている。ベッドからストレッチャーに移る際は体重が重いために移乗ボードを使って施設職員2 人で平行移動している | 全介助 | 運搬具や2 人介助が必要で、一般的な介助よりも手間が掛かっている状況を特記事項に記載する |