認定審査会に伝わる特記を書くPart2|移乗
移乗
特記記載のポイント
・移乗はADLの基本動作ですから「介助されていない」を選択した場合でも、なんらかの介護の手間が発生している場合は特記に具体的な状況を記載します。
・寝たきりなどで、体位交換を含む移乗行為がまったく発生しない場合は、行為が発生したことを想定して適切な介助の方法を選択します。この場合は具体的な状況と選択根拠を記載します。
特記記載例 | 選択肢 | ポイント |
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施設入所中。歩行の際はキャスター付き歩行器を使用している。歩行器に掴まっての立ち上がりと、歩行器から椅子に座る際不安定なために部屋を介護ステーションから見える場所に移動し、立ち座りの際は職員がステーションから注意して見ている。 | 介助されていない | 付き添っての見守りではないために見守りの選択にはなりませんが、「介助されていない」を選択した場合でも介護の手間がある場合は特記に記載しましょう。基本動作である移乗・移動・排泄などでは記載が求められます。 |
介助なく移乗・移動を行っている。ただし、パーキンソン症状があり、起居動作が困難なために朝5時にパーキンソン薬を飲み、9時頃から少しずつ動けるようになる。動けるようになってから起きるので介助はされていない。 | 介助されていない | パーキンソン病などでは内服前後で身体の動きに日内変動がある方がいます。その場合はこの特記のように状況を記載するべきです。 |
車椅子や便座などへの移動動作は自立だが、月1~2回はふらつきやストッパー忘れによる床に尻もちをついている時があり、職員が介助で起こしている。 | 介助されていない | 尻もちをつくことが月1~2回ある状態を頻度から不適切としなかったと推察します。不適切かどうかは、尻もち転倒の回数ではなく、不安定かどうかで判断すべきです |
現在入院中で、自分のペースで移乗・移動は介助なしで行っている。日中は看護師が遠方で見守り、夜間は安定剤を服用しているのでクリップセンサーを使い、見守りしている。より頻回な状況から選択。 | 介助されていない | この場合も頻度から「介助されていない」を選択するも夜間は介助が必要な状況を記載しています。 |
介助はされておらず、立ち上がり後一呼吸おいて慎重に足を運ぶ。体の向きを変える時は慎重に行っているので時間がかかる。以前畑で尻もちをついたことも何度かある。 | 介助されていない | 細かく状況を説明していますが、簡潔な記載も大切です。現在の状況が不適切である事と、適切な介助の方法を選択することを、簡潔に記載すべきと思います。 |
本人はできないというが、職員が見守りし自分で移乗するように声がけすると行える。 | 見守り | 能力での評価になっているので、介助の方法での評価を記載するべきです。 |
ベッド・トイレでの移乗は方向転換でバランスを崩しやすく「見守り」を選択 | 見守り | 実際にどんな介助が行われているかの記載がなく、能力から介助の方法を選択しています。 |
現在施設入所中で経管栄養が行われている。ベッド上生活で昼の経管栄養の際のみ2人介助で抱きかかえて車椅子に乗車している。褥瘡になりやすいためにベッド上では2時間ごとに全介助で体位交換が行われている | 全介助 | 2人介助や2時間ごとの体位交換が必要であることなど、通常の介助より手間がかかっていることを特記事項に記載することも必要です |