認定調査項目を読み解くPart2|話がまとまらない

話がまとまらない

1.項目の定義

「話がまとまらず、会話にならない」行動の頻度を評価する項目です。
ここでいう「話がまとまらず、会話にならない」行動とは、話の内容に一貫性がない、話題を次々と変える、質問に対してまったく無関係な話が続く等、会話が成立しない行動のことです。

2.選択肢の選択基準

認定調査員テキスト参照

3.選択の際の留意点

話の内容を問うものであり、元々の性格で会話が得意でない、失語症で会話に支障がある、小声で聴き取り難い、意識障害があり話しかけても反応に乏しい等の場合は該当しません。 

4.ポイント

・発語能力があり聞き取りもできる人が、認知症などでコミュニケーションがうまく出来ない、会話が成り立たない場合などが該当します。

・3-1意思の伝達が「伝達できない」を選択している場合は該当しません。

具体的には
・相手の言っていることが理解できず、的外れな話をするため話が噛み合わない。
・相手の話を聞かず一方的に話すため会話にならない。
・非現実的な話をするため会話が成り立たない。
・記憶力低下があり、時系列に沿った話が出来ないため辻褄が合わず会話にならない。
・話が横に逸れ、無関係な話が続いて話がまとまらない

などです。

5.判断に迷うケースの選択肢と選択理由

ケース選択された選択肢選択理由とポイント
難聴のために、相手の話したことを聞き違えて話が噛み合わないことが日常的にあるが、聞き取れれば妥当な会話ができているない聞き取れないことが原因の場合は該当しません。
小声で言葉もはっきりしないために何を言っているのか分からない時が多い。(3-1意思の伝達は「ほとんどできない」を選択)。ないこの項目は話の内容を問うものであり、この場合は発語の問題ですから項目の定義に該当しません。
現在施設入所中で、他の入の話に影響されやすく、話す度に趣旨が変わるために、話がまとまらないことが月に2 〜3回ある時々ある話の内容に一貫性がないために話がまとまらない場合は該当します。
話はできるが、具体的な言葉が出てこないために何を言いたいのかが分からず会話にならない。(3-1意思の伝達は「できる」を選択)ある会話にならない状態なので「ある」の選択で良いと思いますが、3-1意思の伝達との整合性に注意が必要です。
自ら話すことはほとんどなく、「痛い」など限定的な訴えのみ。質問しても違う答えが返ってきて、辻褄の合わない話になる。(3-1意思の伝達は「ほとんどできない」を選択)ある「ある」の選択で良いと思いますが、「3-1意思の伝達」が「ほとんどできない」又は「できない」を選択した場合は、伝達能力が低下しているので、項目の定義に該当しない場合があります。
質問したことと違うことを話すのは毎回ある。ある「質問したことと違うことを話す」でも分かりますが、「質問の意味が理解できないために無関係な話をする」としたほうが読む側は分かりやすいと思います。
現在施設入居中で、今いるところは自分の会社で、施設職員と利用者は社員だと思っている。そのためいつも話が命令的で非現実的なため会話にならない。ある具体的で分かりやすい特記だと思います。
調査の質問中に突然5年前の話をしだすなど、話に一貫性がなく、話題が変わる。ある時系列に沿った話ができない、話が横に逸れるなどで話がまとまらない場合は該当します。

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