認定調査項目を読み解く|障害高齢者の日常生活自立度

1.判定の基準

調査対象者について、日頃の状況から下記の判定基準を参考に該当するものを選択します。なお、まったく障害等を有しない者については、自立を選択します。

注)調査員テキストの判定基準では”調査対象者について、調査時の様子から下記の判定基準を参考に該当するものを選択する。”と記載されています。一方、判定にあたっての留意事項では”概ね過去1週間内のより頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。”と記載されています。
当サイトでは「概ね過去1週間内のより頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する」ことが妥当と判断しています。

この判定基準は、医療や介護の現場で保健師等らが障害を有する高齢者の日常生活自立度を客観的かつ短時間に判定する目的で作成されたものです。

<判定表>

生活
自立
ランク
 J
何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する
1. 交通機関等を利用して外出する
2. 隣近所へなら外出する
準寝たきり ランク
 A
屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない
1. 介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
2. 外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている
寝た
きり
ランク
 B
屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であ
るが、座位を保つ
1. 車椅子に移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う
2. 介助により車椅子に移乗する
寝た
きり
ランク
 C
1 日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する
1. 自力で寝返りをうつ
2. 自力では寝返りもうてない

 

<解説>

ランクJ
何らかの身体的障害等を有するが、日常生活はほぼ自立し、一人で外出する者が該当する。なお、障害等とは疾病や傷害およびそれらの後遺症あるいは老衰により生じた身体機能の低下をいう。

J- 1:バス、電車等の公共交通機関を利用して積極的にまた、かなり遠くまで外出する場合が該当する。
J- 2:隣近所への買い物や老人会等への参加等、町内の距離程度の範囲までなら外出する場合が該当する

ランクA
「準寝たきり」に分類され、「寝たきり予備軍」ともいうべきグループであり、いわゆる house-bound に相当する。屋内での日常生活活動のうち食事、排泄、着替に関しては概ね自分で行い、留守番等をするが、近所に外出する時は介護者の援助を必要とする場合が該当する。

なお「ベッドから離れている」とは離床のことであり、ふとん使用の場合も含まれる。

A- 1:寝たり起きたりはしているものの食事、排泄、更衣時はもとより、その他の日中時間帯もベッドから離れている時間が長く、介護者がいればその介助のもと、比較的多く外出する場合が該当する。
A- 2:日中時間帯、寝たり起きたりの状態にはあるもののベッドから離れている時間のほうが長いが、介護者がいてもまれにしか外出しない場合が該当する。

ランクB
「寝たきり」に分類されるグループであり、いわゆる chair-bound に相当する。

B- 1 とB- 2 とは座位を保つことを自力で行うか介助を必要とするかどうかで区分する。日常生活活動のうち、食事、 排泄、更衣のいずれかにおいては、部分的に介護者の援助を必要とし、1 日の大半をベッドの上で過ごす場合が該当する。

排泄に関しては、夜間のみオムツをつける場合には、介助を要するものとはみなさない。なお、車椅子は一般の椅子や、ポータブルトイレ等で読み替えても差し支えない。

 B - 1:介助なしに車椅子に移乗し食事も排泄もベッドから離れて行う場合が該当する。
 B - 2:介助のもと、車椅子に移乗し、食事または排泄に関しても、介護者の援助を必要とする。

ランクC
ランクBと同様、「寝たきり」に分類されるが、ランクBより障害の程度が重い者のグループであり、いわゆる bed-bound に相当する。
日常生活活動の食事、排泄、更衣のいずれにおいても介護者の援助を全面的に必要とし1 日中ベッドの上で過ごす。

C- 1:ベッドの上で常時臥床しているが、自力で寝返りをうち体位を変える場合が該当する。
C- 2:自力で寝返りをうつこともなく、ベッド上で常時臥床している場合が該当する。

 

2. 判定にあたっての留意事項

● 判定にあたっては「~をすることができる」といった能力の評価ではなく「状態」、特に「移動」にかかわる状態像に着目して評価します。
● 概ね過去1週間内のより頻回に見られる状況や日頃の状況で選択します。
● 補装具や自助具等の器具を使用した状態であってもその状況で選択します。
● 時間帯や体調等によって状況が異なる場合は、一定期間(調査日より概ね過去1 週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択します。

3.ポイント

テキストでは「寝たきり度」としていますが、判定基準と留意事項では「移動」の状況で判定するとしています。
判断基準に曖昧さがありますが、移動で判断している市町村が多いようです。

私が以前SNSで「一日中横になることなく、車椅子で過ごしている場合の障害高齢者の日常生活自立度ランクは?」の質問でアンケートをとった結果、多くのケアマネさんはランクBと答えています。

4.判定フローチャート

  
このフローチャートは<寝たきり度>を基準としたものです。
移動を基準とした場合や認知症がある場合はこのチャートと合致しない場合があります

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