話題|国保連合会に寄せられた苦情相談事例Part3

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事例紹介

今回は3回目となる認定調査に関する苦情・相談事例の紹介です。

これは全国の国保連から公表された「介護サービスに対する苦情・相談事例」の中から、東京都国保連の令和2年度版苦情相談白書を中心に認定調査に関する苦情・相談事例を集めたものです。

過去の話題では1回目2018年4月2回目2019年10月(part1),(part2)

でも事例を取り上げています。こちらも併せて読んでいただけば参考になると思います。

地域相談者苦情相談内容対応結果
東京利用者本人介護認定の有効期間が終了となるため、認定更新をしたところ、要介護1から要支援2に変更となった。納得ができず区分変更申請をしたが、却下するとの結果通知が送られてきた。
以前、不正請求に関する苦情を保険者や厚生労働省、都道府県等へ訴えたことが影響して、調査、検討がされず認定を下げられたのではないか。
保険者から相談者に、要介護1の認定となるのは、原則、認知症等で日常生活に見守りを要する場合及び短期間で心身状態が悪化し、介護量が増加する可能性のある場合等の旨を説明した。そのため、今回の認定に当たっては要介護1の判定には至らなかったと考えられることを伝えた。また、相談者の苦情が判定結果に影響することはないことを伝えた。
利用者本人更新申請の結果、要介護度が下がった。以前も状態に見合わないほど要介護度が下がり、思うようにリハビリテーションを受けられなくなったことがあった。調査の仕方が適切でない。保険者として指導をしてほしい。区分変更申請を行うので、適切な要介護度を出してほしい。保険者から相談者に、区分変更申請提出の際には、主治医に身体の状況を詳細に記載してもらうよう伝えてほしいと話し、納得された。保険者から介護支援専門員に電話し、区分変更申請の対応を依頼した。
家族認定調査は、決まった時間内での仕事と理解しているが、認定調査員は事務的で雑談にも応じてくれなかった。認知面で伝えたいことなど、もう少し話を聞いてほしかった。認定調査員の態度についてはお詫びし、必要なことは聞き取っていったとのことなので、話を傾聴した。
家族保険者に要介護認定の調査が、最短でも10日後になると言われた。早く実施して欲しいと言ったが、これ以上早くできないと言われた。相談者は、要介護認定が申請日に遡って有効となることを理解しておらず、認定調査日から有効になると勘違いしていたことが立腹へつながった様子であった。そのため、保険者から丁寧に説明し、納、納得していただき、対応終了となった。
北海道ケアマネージャー私はケアマネージャーをしており、担当している利用者の更新申請にあたり、利用者の夫の同席の上で妻の認定調査を行うように手続きしていた。しかし認定調査員は利用者の夫の指定の時間に合わせられないと言い、夫が不在の間に認定調査を行った。また、調査も本来1時間ほどかかるはずが認定調査員の都合によって30分ほどで終ったとのことであった。‐中略‐
今回の調査による要介護度は要支援1まで下がっており、利用者の夫からは、妻の介護をしている自分が要支援2なのになぜ妻が要支援1なのか納得できないと言われ、介護している状況を調査員に説明していれば要支援1の判定にはならなかったとも言われたため、私はこれまでの経過を市役所に説明した。
後日市役所から連絡があり、認定調査員に聞き取りを行ったが、利用者とその夫から同席は必要ないと言われたので、夫の不在時に調査を行ったとの回答があったと報告を受けたため、私は市役所の担当者に事実ではないと伝えた。
もし利用者の介護度が要支援1に確定した場合は地域包括へ引き継ぐことになるので今回の事を地域包括へ報告するつもりである。
今後区分変更もしくは不服申し立てを行うかは、利用者の夫に確認したうえで対応するつもりであるが、不服申し立ての概要や申請方法などについて教えて欲しい。
不服申立てには道の介護保険審査会に審査請求することとなり、申立人が直接提出する方法と市役所経由で提出する方法があることを説明した。
また、不服申立てよりも区分変更のほうが数か月早く結果が出ることを説明し、利用者の夫が不服申し立てを希望した場合は、市役所と相談したうえで決めたほうが良いと思われることを伝えた。
家族母(89歳、要介護2)は、認知症で一人暮らしをしており、訪問介護、通所介護、ショートステイのサービスを利用している。
以前から母の状態が悪くなってきたため特養に入所させたいと思っているが、要介護3にならないと入所できないため申し込みをしていない。先月、更新申請で要介護2から変わっておらず、要介護3に変更されない結果に納得できない。
特養における新規入所の条件は原則要介護3以上であるが、要介護1や2の場合であっても、やむを得ない事由があり、居宅において日常生活を営むことが困難な場合は市町村の適切な関与の下に特例的に入所が認められていることを説明した。
また、更新申請の結果については市役所に理由を説明してもらい、納得できな場合は区分変更申請の方法もあるので担当ケアマネージャーに相談したほうが良いことを伝えた。
大阪利用者本人入院時に医師より、区分変更申請を進められたので、介護支援専門員と相談し申請を行ったが要介護認定結果、却下の通知が届いた。理由は心身の状態に変化は認められないとのことで要介護度は4のままである。市にも確認し、再度の区分変更申請を行うことを説明されたが、結果に納得がいかない。調査してほしい。本会の苦情相談窓口で対応できる内容を説明し、再調査を希望されるのであれば、府の介護保険審査会へ審査請求を行うよう案内した。
埼玉家族以前、認知症の父が認定調査員を追い返してしまうのではないかと心配していることについて相談した。
昨日、認定調査を受けたが、認定調査員と一緒に地域包括の職員が来て、「同席させてほしい」と言われた。地域包括の職員は私が父のことで相談した際、「あなたのお父さんは認知症ではない」「家族が何を困っているのか分からない」と言い、相談にならなかった。私は同席してほしくなかったため、外で待ってもらったが、認定調査に地域包括が同席したという事例があるのだろうか
認定調査に地域包括が同席した事例があるかどうかは、本会では分からないと伝え、本会は
利用者が受けたサービスに関する相談窓口であるため、要介護認定や地域包括に関する相談は、町役場にしていただくようにお願いした。
ケアマネ私が担当することになった利用者は、パーキンソン病があり、明らかに歩けない状態で、入院中に認定調査を受けた。私は退院の準備に向けて何度も病院へ行き、病院で行った担当者会議には、福祉用具担当者にも来てもらい、車いすと介護ベッドをレンタルすることにしていた。
ところが、認定結果は要介護1であり、歩けない状態なのに、あり得ないと思った。市に相談したところ、軽度者に対する福祉用具貸与を申請すればよいと言われ、認定調査そのものを見直す話はなかった。この利用者は、今後ショートステイなど他の介護サービスも必要となるため、単位数が足りないが、どうしたらよいだろうか。
要介護認定については本会の対応範囲外であることを説明し、利用者が希望している介護サービスが利用できず困ることを、再度、市役所に相談していただくように伝えた。

まとめ

・利用者本人、家族からの苦情・相談内容は例年ほぼ同じ内容です。

1.認定結果に対する疑問や不満

2.認定調査員に対する疑問や不満

3.手続きに対する疑問や不満

具体的には

1.認定結果に対する疑問や不満の内容

・年齢を重ねているのに要介護度が軽く出た。
・「実際に障害があるのに」「心配で目が離せないのに」「一人にしておけないのに」など、家族の負担が介護度に反映されていない。
・状況もサービス内容も変わってないのに要支援2と要介護1を行ったり来たりしている。

2.認定調査員に対する疑問や不満の内容

・話を聞いてくれない。
・態度や話し方が事務的だった。
・認知症扱いされた。
・調査員によって判断が違う。
・本人に対して4群の項目をそのままの文章で聞いてきた。

3.手続きに対する疑問や不満の内容

・結果が出るのに時間がかかる。
・仕組みが複雑でわかりにくい。
・調査内容がキチンと評価されているのか。

寄せられた不満や苦情の中で、認定調査員に対する苦情や不満の内容を見て感じるのは、疾患に対する知識や調査・聞き取り内容などの専門分野に関するものは少なく、調査員の言葉使いや態度などの基本的なマナーについての不満が多くを占めていることです。

全ての対象者や家族に良い印象を持たれることは不可能です。社会人としての基本的なマナーを守って、誠実に事に当たるしかないと思います。

 

 

 

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