認定審査会に伝わる特記を書く|金銭の管理

ポイント

・介助の方法で評価する項目ですが、能力評価の特記が多く見受けられます。

・特記の記載は「○○できる」「○○できない」ではなく、「自分で○○している」「○○の管理が介助されている」などの表現になります。

・施設入所などで、現金を持っているが使う機会がない場合は「金銭管理が介助されている」として全介助を選択するケースが多いですが、残金がいくら位あるかが判る場合は「介助されていない」と評価するべきです。

・選択肢の選択基準や留意事項はこちらをご覧ください。

 

記載例選択肢ポイント
収支の把握はできている介助されていない金銭管理は収支把握だけではなく、保管、出し入れする金額の計算も含みます。この場合は「収支把握を含めた金銭管理に介助は行われていない」とすべきです。
妻との2人暮らし。次男が金銭管理し、対象者は財布に少額所持し管理している。公共料金などの支払いは残高不足で督促状が来ている状態で管理はできていない。買い物は次男夫婦が行い、対象者は酒屋にビールなどを注文し自分で払っている。一部介助情報が多過ぎるケース。
①対象者は通帳の収支把握ができず次男が管理していること、②対象者は手元に少額を所持し、それについては計算や管理もできていること、が記載してあればよいと思います。
「通帳等は次男が管理しており、少額の現金のみ対象者が所持し、自分で支払いもしている」の記載で良いと思います。
長女にお金の引き出しと買い物を頼み、長女に買い物の代金を払ったり、自宅の新聞代の支払いなどは自分でしている。一部介助この特記内容では「介助されていない」を選択するべきです。
自営のため給料と言う形でお金を渡すがどのように使っているか不明である。一部介助この特記記載では「介助されていない」を選択するのが妥当です。現在の状況が不適切と考えたのであれば、不適切とする理由と一部介助を選択する根拠を記載するべきです。
独居で、知人や親せきの人に送迎してもらい銀行に行き、自分で引き落としをする。いくら下したか、何にいくら支払ったか分からなくなるので、ヘルパーと確認しながら帳簿を付けている。一部介助所持金の収支把握に介助が行われていることが判る特記です。
通帳は自分で管理しているが、収支の把握は困難で、孫に小遣いをあげようとしたがどうあげてよいか分からず、嫁からお金を出して貰った。一部介助このケースも実際には金銭管理に介助は行われていないが、現在の状況を不適切と判断し、適切な介助の方法として一部介助を選択したと思われます。「必要な金額の出し入れができないため介助が必要と判断した」との記載があれば解りやすいと思います。
小遣い程度は所持しており訪問販売で買い物をしている。お札で払うことが多い。一部介助小遣い程度の現金以外の所持金(通帳など)の管理についても記載すべきです。
通帳、印鑑は妹の管理で生活費は妹から渡される。通帳残高の把握は困難。一部介助通帳などの管理は介助されているのが分かりますが、手元の現金などの管理・収支把握についても記載すべきです。
自分で管理をしたがり通帳を家族に渡そうとしない。収支把握はできておらず「一部介助」を選択。通帳に執着し常に通帳を持ち歩いている。一部介助通帳のついての記載はありますが、手元の現金の管理が出来ているのかも記載すべきです。それによっては「全介助」となる場合もあります。
全て家族が行っている。数千円は所持しているが使用する機会もないので全介助」とした。全介助数千円の所持金について、使用する機会がないので自分で管理していない、また、手持ちの現金管理に介助が必要と評価する根拠にはなりません。「計算が出来ないために自分で支払いが出来ない、お金を使うことができない」などと記載するべきです。
施設入居中。金銭は娘管理で、自分でも少額を所持しているが自分で札種の判断が付かないために職員に財布を渡して支払い等を頼んでおり、収支把握もしていない。全介助自分でも少額を所持するが、管理の一部である金額の計算が出来ないことから全介助となった例です。
通帳は家族が管理、簡単な計算もできず管理はできない。全介助簡単な計算ができないので手元の現金管理もできないと判断し全介助を選択したと思われます。実際の通帳以外の金銭管理の状況を記載し、適切な介助の方法として一部介助を選択したことを記載すべきです。
娘が行っている。全介助よく見かける特記記載ですが、全介助と評価する場合は「通帳や現金など全てにおいて娘が収支把握や管理をしている」ことを記載するべきです。
通帳、印鑑は家族が管理し、数千円の小遣い程度を所持しているが使うこともない。全介助この特記内容では「一部介助」を選択すべきです。使うことがない=管理が介助されている、ではありません。残金などを把握しているかで選択するべきです。