認定審査会に伝わる特記を書くPart2|口腔清潔・洗顔・整髪
口腔清潔・洗顔・整髪
特記記載のポイント
・能力ではなく、介助の方法を記載します。
・口腔清潔、洗顔、整髪ともに、見守りに該当する行為は「常時の付き添いがあり、指示・声がけ・確認が行われている」場合です。この他に、口腔清潔の場合は「常時の見守りはされていないが、口腔清潔行為中の状況確認や声がけ、終了後に磨き残しがないか確認が行われている」場合も含みます。
・整髪行為が出来るにも拘らず短髪なために日頃整髪行為を行っていない場合に、入浴の際にタオルで頭を拭く代替え行為で評価しているケースが見られます。この場合整髪をしない状況が不適切でないのであれば「介助されていない」を選択するのが妥当です。
特記記載例とポイント
口腔清潔
特記記載例 | 選択された選択肢 | ポイント |
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洗顔、整髪は自分でするが、歯磨きは自分からしないため確認し、声掛け、指示している。 | 一部介助 | 声がけ、指示は歯磨き行為中、確認は歯磨き後に行われている場合が介助に該当します。記載例ではその点が分からないので「付き添って」「歯磨き中に」「キチンと磨けているかを歯磨き後に」などの記載をすることを勧めます。 |
宅老所入所中で、認知症がありADL全般に声掛けが必要になっている。歯磨きも職員から声掛けしてもらい行う。 | 一部介助 | 介助の方法では、行為を促すための声掛けは見守りに該当しません。行為中に声掛けが行われているのであればその状況も記載するべきです。 |
洗面所に準備されている用具で歯磨きしている。 | 一部介助 | この記載では、置いてあるものを自分で取り出しているのか、介助者が対象者のために準備したものを使っているのか判りません。手間に関する具体的な記載をするべきです。 |
物品の準備があれば、自分で出来る。 | 一部介助 | 能力での判断ではないので、具体的な介助の方法の記載がないと選択肢が適切かどうか読む側は判断できません。 |
施設入所中。歯磨きは、セッティングし促した後職員が介助している。 | 全介助 | セッティングし促している場合は「一部介助」と評価しますが、その後に全介助に該当する介助が行われている状況はこの特記からは解りません。セッティングし促した後の具体的な介助の方法を記載するべきです。 |
洗顔
特記記載例 | 選択された選択肢 | ポイント |
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洗顔の一連の行為は自立だが、洗面所の周りを汚したままにする為、毎回家族が拭いている。 | 介助されていない | 定義に含まれない、洗顔に伴う介護の手間がある場合はこのように記載するようにしましょう。 |
洗顔の習慣がない。 | 介助されていない | 現在の状況が適切かどうかがポイント。「顔が汚れている」「眼ヤニが付いている」「皮膚がただれている」などがあるかで判断します。問題ないと判断した場合は「不適切な状態ではない」と書き添える見る側は判りやすいでしょう。 |
要支援の妻との2人暮らし。認知症があり保清の習慣が無くなり、傍らについて歯磨き、洗顔、整容とその都度指示を要する状況から「一部介助」を選択。 | 一部介助 | 特記の目的は、行われている介助の方法と手間・量を審査会で評価することです。「傍らについて歯磨き、洗顔、整容とその都度指示を要する状況」の記載は実際の介護の手間が分からないため、実際に行われている介護の方法と手間を記載するべきです。 |
独居で、娘二人が交代で援助しており、週1回DSを利用している。整容は声をかけないと自分からはできず、誰もいない時は行えていない様子。 | 一部介助 | 現在の状況は不適切と判断したと思われますが、「誰もいない時は行えていない」だけでは不適切な介助とは言えません。これ以外に不適切と判断する具体的な状況があればそれを記載するべきです。 |
整髪
特記記載例 | 選択した選択肢 | ポイント |
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カツラを使用しているが、認知機能の低下があり他の利用者の前でカツラを外したりする。 | 一部介助 | カツラの場合は取り外しや毛の部分の整えに対する介助が該当します。それらに対する介助の状況を記載するべきです。 |
日頃は髪を整えることもせず手櫛で撫でる程度。週1回買い物で外出するときは娘が介助している。 | 一部介助 | この場合は「手櫛で撫でる」という整髪行為が日頃あり、それが不適切な状態でないのであれば「介助されていない」を選択し、特記に「頻度から選択した」と追記するべきです。 |
認知症があるが、麻痺・拘縮の確認動作はできる。男性で、短髪で入浴後に職員が拭き取り整髪する。 | 全介助 | 頭髪がない、短髪で整髪を全く行っていない場合はタオルで頭を拭くなどの代替え行為で評価しますが、身体機能に問題がない場合は、入浴以外に整髪行為がないことを記載するべきです。 |
男性で、頚椎症があって手の痺れがあり、髭は妻が剃刀で剃っている。 | 全介助 | 髭については特記のみに留め、整髪に対する介助の状況を記載するべきです。 |
短髪で髪を気にしていない。週2回の入浴の際に施設職員が梳かしている。 | 全介助 | 整髪は一般的には毎日行うものですから、「日頃整髪は行っていない」ことを書き添えた方が理解が得やすいと思います。 |