話題|昼夜逆転の判断について~SNSでのアンケート結果から~

昼夜逆転の判断について ~SNSでのアンケート結果から~

昼夜逆転の定義

調査項目での昼夜逆転の定義は“夜間に何度も目覚めることがあり、そのために疲労や眠気があり日中に活動できない、もしくは昼と夜の生活が逆転し、通常、日中行われる行為を夜間行っている状況”となっています。

夜間不眠でも日中起きて過ごしている方もいる

対象者によっては、夜間に不穏や徘徊があって不眠でも、日中は起きて過ごしている方がいます。これは日中に通所サービスを利用している方、施設入所している方に多いようです。

介護者に状況を聞くと「夜間不眠でも、日中は周りの利用者に刺激されて寝ないで過ごすことが出来る」とのこと。

審査会事務局の判断

単なる不眠ではなく、不穏や徘徊があれば見守りなどの対応が必要です。

この状況を調査項目「昼夜逆転」で「ある/時々ある」を選択し、夜間行動して介護が必要だが日中は起きて過ごしている状況を特記に記載すると、審査会事務局から照会が来て「日中の活動に影響がない場合は不眠であり、昼夜逆転には該当しない」と言われます。

介護の手間があることを説明しても覆ることはなく、納得がいかないままに選択肢を「ない」に変更し、特記のみとすることになります。

ここ2ヶ月間で前述のようなケースが2件あり、昼夜逆転が「ある」で提出した結果、1件は照会がなくそのまま通り、もう1件は照会が来て「ない」に変更させられています。ただし、照会がないケースは、4か月ほど前にも同じように夜間の徘徊があり、姿が見えないために家族が心配して警察に届けた経緯がありました。

他の調査員の考えを聞きたくてSNSでアンケート

他の調査員の方はこの様な場合、どのような評価をしているかが知りたくてSNSでケアマネージャーのグループでアンケートをしてみました。

今回はそのアンケート結果と、そこから何が見えたかをまとめてみたいと思います。

アンケート

<実際のSNSの文面>

認定調査をされている方も多いと思いますので、認定調査の「昼夜逆転」について皆さんのご意見をお聞かせください。

先日レビー小体病の方の対応について投稿がありましたが、それに似た状態で夜間に不穏や徘徊などがあり、介護者が対応する必要があります。しかし日中DSを利用したり施設入居しており、他の利用者に刺激されて日中も起きて普段通り過ごしてる方がいます。       

この状態で「昼夜逆転」が「ある~時々ある」を選択して提出すると、そのまま通る場合と審査会事務局から照会が来て、日中の状態を理由に「ない」に変更させられる場合があります。要するに審査会事務局でも統一されていない状態のようでした。                 

 私としては翌日普段通り過ごしていても夜間不眠で介護が必要な行動を起こしている状況は昼夜逆転に該当すると思うのですが、皆さんはこの場合どうしていますか? 

アンケート結果

実人数 上段 16人  中段 2人  下段 47人

このアンケートに対して審査会委員をされている方がコメントを下さり、「2日間起きて過ごし、2日間寝て過ごす方もいます。不眠の翌日だけでなく、日頃の生活サイクルがどうなのかを記載してあると該当するか判断しやすいです」のことでした。

結果から見えるもの

A:日中普段通り過ごしている場合は夜間不眠であり、昼夜逆転には該当しない
B:夜間に介護が必要な行動がある状況は、日中の状況に拘わらず昼夜逆転に該当する
C:ケースbyケースで、介護の手間によって判断する

Aは全体の約1/4で、判断基準が夜間の手間ではなく、日中の行動への影響の有無です。

Cは全体の約3/4で、判断基準が日中の行動への影響ではなく、夜間の介護の手間の量です。

Bは少数ですが、CはBにもなり得るので、BとCは同じ回答ととらえることが出来ます。ただし、「介護の手間」が夜間のことか、日中も含めるかまでは判りません。

まとめ

アンケート結果だけからみると、多くの調査員は、昼夜逆転の判断を夜間不眠が日中の行動に影響しているかではなく、不眠行動に対する夜間あるいは夜間と日中の介護の手間で決めているようです。

しかし、保険者の多くはAの判断ですから、日中の生活に影響している具体的な状況を特記記載することは必須です。この場合、不眠の翌日だけではなく、数日単位での影響を記載するようにします。

また、現在の状況に関連したエピソードがあれば、例え一定期間(過去おおよそ1か月間)以外であっても特記に記載したほうが良いと思われます。