認定審査会に伝わる特記を書くPart2|自分勝手に行動する
自分勝手に行動する
ポイント
・テキストに記載されている定義が具体的でないために、どのようなケースが該当するのか判断に迷う方が多いと思います。実際に身勝手やわがままな行動も対象としている場合が多く見られます。
・NGワードは「物忘れ」です。この問題行動が物忘れが原因で起こっていると記載がある場合は、自分勝手な行動ではなくひどい物忘れに該当することになります。
該当する行為
・規則違反
・自傷他害行為
・目に余る迷惑行為
・周囲に止められている行為
該当しない行為
・顰蹙(ひんしゅく)を買う行為
・合理的とは言い難い行為
・自己中心的、身勝手な考えによる行為
・するべき事をしない状態
記載例 | 選択された選択肢 | ポイント |
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農家で、夫と二人で野菜を作っている。外で作業していてトイレに行きたくなると自宅近くにある作業小屋の陰で済ましてしまう。小屋の横の道路は通学路になっており、家族が家に帰ってするように言うがいうことを聞かない | ある | 顰蹙を買う行為ではあるが、習慣的な行為で、目に余る迷惑行為とも言えない。 特記のみとするのが妥当と考える |
4人家族で日中は独居。冷蔵庫から取り出した食べ物を元に戻さず食器棚に入れたり、お湯を沸かすが沸かした目的を忘れてしまう。一人の時に何をし出すか分からず家族は不安になっている | ある | この特記は「ひどい物忘れ」に該当する内容です。火を使うことを止められれているにも拘らず左記のような行為がある場合はその状況を記載するべきです |
医師から車の運転は止められているが、自分で運転して近くのスーパーに買い物に行くことがある | ある | 該当する行為ですが、頻度の記載が必要です |
独居。玄関の戸の滑りが悪いといってレールに食用油を垂らしたり蠟を塗ったりなど、思いもよらない行動がある | 時々ある | この特記では「場にそぐわない行為」とは言えません。認知症という先入観があるとすべての行動が問題行動のように見えてしまいます。その先入観を持たずに評価し、特記記載するべきです |
妻との2人暮らし。転倒して大腿骨頚部の亀裂骨折し在宅での保存療法。痛みが強い時に、時間を空けて使うように言われている座薬を間隔を開けずに妻にせがんで使用している。妻も本人の希望が強いので断れない | ある | この場合も「場にそぐわない行動」とは言えません。特記のみとすべきです |
現在入院中で、身体状況やナースコールの理解がなく転倒の危険があるため、体動センサーや赤外線センサーを設置している。 | ある | 理解がないの記載だけでは状況が分かりません。自分勝手に行動すると判断した具体的な状況を記載するべきです |
グループホーム入居中で、他の利用者が楽しそうにしていると、その中に入ろうとせず「うるさい!」などと言ってその場の雰囲気を悪くする | ある | 自己中心的な行動であってこの項目には該当しないと考えます。この場合は5-4集団への不適応で評価するべきです |
脳梗塞で入院しリハビリ中だが高次脳機能障害がある。エレベーターや階段のところに行き棟外に出ようとする。看護師がどこに行くのかと声をかけると「家に〇〇を取りに行く」とか「店に行って〇〇を買ってくる」などと言う。そしてその都度誘導されて戻っている | ある 4-9「一人で出たがる」もあるを選択し、その共同特記 | 病院内で棟外に出ようとする行為は「4-9一人で出たがる」に該当します。明らかに棟外に出ようとする行為であれば「自分勝手に行動する」項目ではなく、「一人で出たがる」での評価にすべきと考えます |
息子夫婦との3人家族で、状況を問わず思い込みで行動する。家族が注意しても聞かず、毎回なだめている | ある | 具体的な状況の記載が必要です |