認定調査項目を読み解く Part2|上衣・ズボン等の着脱(介助の方法)

上衣・ズボン等の着脱

1.項目の定義

上衣・ズボン等の着脱の介助が行われているかどうかを評価する項目です。

ここでいう「上衣・ズボン等の着脱」とは、普段使用している上衣やズボン・パンツ等の着脱のことです。

2.選択肢の選択理由

調査員テキスト参照

3.選択の際の留意点

・衣服の選択および準備や手渡しなど、着脱までの準備は含まれません。

・ボタンの掛け外しは介助に含まれます。

・前合わせ物で、ボタン掛けやファスナー合わせの介助がされるが、被り物の場合は介助が行われていない場合、どちらの服を着ることが多いかその頻度で判断します。

・介護者が構えている服に対象者が自ら腕を通す場合や、介助者が構えているズボンなどに対象者が自ら足を通す場合は協力動作があると評価します。

・福祉用具や器具類を使用している場合は、使用している状態で評価します。

・時間帯や体調などによって介助の方法が異なる場合は、一定期間(調査より概ね過去1週間)の状況において、より頻回にみられる状況で選択します。

・介助されていない状況や実際に行われている介助の方法が不適切と判断した場合は、適切な介助の方法を選択したうえで、不適切とした理由と選択根拠を特記事項に記載します。なお、不適切かどうかは能力のみで判断はせず、状況などを総合的に判断します。

4.ポイント

・時候にあった衣服を選択しているかや、適切に衣服を交換しているかは問いません。

・着脱後の簡単な直しや整え(襟、袖を直す、袖のボタンの掛け外し、紐を結ぶ、ズボンのベルト締める など)は、介助の手間が少ないため、介助が行われているとは評価しません。この場合は、特記事項に具体的な状況を記載します。

・日頃ズボンをはかない場合はパンツやオムツの着脱行為で代替え評価します。

・常時の付き添いがされていない場合でも、着脱中の声がけや確認、着脱後にキチンと出来ているかの確認が行われている場合は「見守り等」に該当します。

5.判断に迷うケースの選択肢と特記記載のポイント

ケース/特記記載例選択肢選択理由/ポイント
着脱行為は自立だが、声掛けしないと同じ服を何日も着る。家族に促されてやっと着替えている。介助されていない着脱を促す声掛けのみの場合は「介助されていない」に該当します。この記載では、着脱に至るまでの手間がある事がわかります。
施設入居中で、着替えの準備と週2回の入浴時の更衣はスタッフが手伝うが、毎日のパジャマと洋服の更衣は一人で行っている。介助されていない頻度からの選択例
リハビリパンツを使用し、リハビリパンツを足元から上げる時は介助されているが、トイレでの上げ下げは自分でしている。頻回な状況から「介助されていない」を選択する。介助されていないズボンをはかない方なのかその記載が必要です。この特記は排泄の介助の記載になっています。更衣の際の着脱に関する記載が必要です。
独居で週2回ディサービスを利用している。DSで入浴時に着替えているが、自ら着替えることはなく、職員が服を1枚1枚手渡しており、着脱は自分でしている。見守り等DS以外での着脱行為はないのか記載が必要です。また、手渡し行為自体は見守りに該当しません。見守りと判断するのであれば、常時の付き添いの必要がある事や手渡しの際に声掛けが行われているなどの記載をすべきです。
リウマチがあり、指の変形とこわばりがあってうまく動かない。ボタンが出来なかったり、ズボンの上げ直しを週1~2回家族にしてもらっている。見守り等行われている介助は一部介助ですが、頻度が少ないために見守りを選択したものと思われます。この様な選択は誤りで、当然ながら「介助されていない」を選択して特記のみとすべきケースです。
毎日同じ服を着続け、家族が勧めても拒否する。洗濯しようとしても渡さず、家族に強く促されてようやく着替えている。パジャマに着替えず日中の服のまま寝ており、声がけしなければ着換えないことから「見守り」を選択見守り等着脱に介助が行われているかの評価ですからこの場合は「介助されていない」を選択するべきです。もし現在の状態が不適切と判断しているのであればその旨の記載をするべきです。
介助を受け着替えている。一部介助具体的な介助の記載がないので選択肢が妥当であるか判断できません。
着る服の選択や上衣の背中の直しなどの仕上げや、ズボンの引き上げ介助も妻がしている。一部介助ズボンの介助は一部介助に該当しますが、上衣の介助は「直し」程度と考え、一部介助には該当しません。
視力が悪く、服の前後ろや裏表がわからないためにヘルパーの指示を受けて着脱している。一部介助このケースの場合は見守りに該当します。