今月の話題~12月~

要介護認定における認知症加算

介護サービスでは居宅支援や通所介護、グループホームなどでの認知症加算がありますが、要介護認定でも認知症加算という仕組みがあります。

要介護認定における認知症加算とは?

要介護認定における「認知症加算」は、運動機能の低下していない認知症高齢者に対して要介護認定等基準時間を積み足し、一次判定の要介護度が1~2段階繰り上がる仕組みです。

認知症加算の仕組み

認知症加算の仕組みは複雑で、①障害高齢者の日常生活自立度 ②認知症高齢者の日常生活自立度 ③特定の調査項目と、全体的な調査項目で設定されている「中間評価項目得点」の両方で計算される認知症加算用のスコアー表、この3要素によって該当者か判定されます。

認知症加算該当者のイメージ(図表24)

図表24のように
①障害高齢者の日常生活自立度 J~A
②認知症高齢者の日常生活自立度※ Ⅲ・Ⅳ・M
※介護サービスの認知症加算は医師の判定による認知症高齢者自立度を用いますが、要介護認定の認知症加算の場合は認定調査員の判定による認知症高齢者自立度を用います。
③スコアー表
この3つが重なった赤い△部分が認知症加算の該当になります。そして③スコアー表は以下のような項目で構成されています。

認知症加算の計算には調査項目の「つめ切り」「洗顔」が使われている

図表25のスコアー表は、調査項目のみでの1次判定が要介護1以下の場合、図表26のスコアー表は同じく要介護2の時に使われます。
ここで注目されるのが、介助の手間と言う事ではあまり注目されない「つめ切り」と「洗顔」が計算項目に入っている事です。洗身、排尿、上衣の着脱と共に、清潔と整容行為が認知症ケアに影響すると言う判断でしょうか。
1次判定で非該当や要支援1の場合も認知症加算の対象にはなりますが、障害高齢者の自立度がほぼ自立であることからスコアー表の単項目のポイントが少なく、また、身体機能や起居動作、生活機能の中間評価項目の得点も高いために加算の該当になる可能性は低くなります。
スコアー表の計算については、今月の話題11月"要介護認定要支援2と要介護1はどこで分かれるのか?で紹介したように、左側の項目を加算し、それに定数項を加えた値がカットポイントを超えれば対象となる仕組みです。

要介護2以上の認知症加算には主治医意見書の内容が加味されている

要介護2で使われるスコアー表には「理解および記憶(主治医意見書)」が含まれていますが、これは主治医意見書にある「認知症の中核症状」の評価によって算出されるもので、そのロジックは図表27のようになっています。

調査項目「大声を出す」「介護抵抗」「徘徊」「外出して戻れない」「一人で出たがる」のチェックがあると介護度がさらに1段階繰り上がる

今まで示した複雑な計算で要介護度が1段繰り上がりますが、認定調査項目の3群と4群の特定の項目に該当した場合は更に1段階上がる仕組みになっています。(図表28・29)


1次判定で認知症加算の該当になった方で、図表28の適応があった場合は結果的に2段階繰り上がります。認知症加算の前の段階で1次判定が介護2であった場合は、最大で介護4まで繰り上がることになります。

次回 平成31年1月の話題は「特別な医療」について投稿予定です。

今年1年、当サイト"要介護認定調査員の部屋"を見ていただきありがとうございました。

来年も引き続き見ていただけますように認定調査の現場で役立つ情報をアップしていきますのでよろしくお願いいたします。

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