認定審査会に伝わる特記を書く|付添いがない「見守り等」に該当する行為

常時の付き添いがない「見守り等」に該当する行為

今回は、項目によって該当する行為に違いがある「介助の方法における見守り行為」について取り上げます。「審査会に伝わる特記」というテーマの主旨とは若干離れますが、関連する事柄ですので取り上げました。

介助の方法における「見守り等」に共通する選択基準

介助の方法全ての項目で、「見守り等」を選択する際の選択基準は以下の通りです。

<項目の定義に該当する行為に対し、介助者の常時の付き添いがあり、指示、声がけ、確認が行われている場合であり、また、移乗、移動、食事摂取、排泄、着脱の項目については、常時の付き添いの必要があること>としています。

一般的に「見守り行為」というのは、以下の2点です。

①直接身体に触って介助することなく、対象者に付き添い、転倒や誤えんなどの危険な状況になった時にすぐ手助けできるように対象者の行動を注意して見ていること。また、その必要があること。

②対象者にその行為ができる能力があるが、独りでは上手くできないために介護者が付き添い、指示や声がけをして手助けすること。

項目によっては、「常時側で付き添っている」ことを必要としない場合がある

介助の方法で「見守り等」と評価される見守り行為は「常時側で付き添っている」ことを条件としてあげていますが、移動や食事摂取、着脱などの項目ではこの条件を満たしていなくても、個々の条件を満たしていれば「見守り等」が行われていると評価されます。

常時の付き添いがなくても「見守り等」と評価する項目とその行為

項目の定義に該当する行為に対し、介助者の常時の付き添いがなくても「見守り等」と評価する項目と行為は以下のようになります。

 

項目 見守り等と評価する行為
爪切り 常時の付き添いはないが、爪切り後にキチンと切れているか確認する行為。爪切りでは「一部介助」となる
移乗 認知症高齢者などの場合に、常時の付き添いはないが、移乗のための確認や指示、声がけをする行為
移動 認知症高齢者などの場合に、常時の付き添いはないが、目的の場所に行くための確認や指示、声がけをする行為
食事摂取 常時の付き添いはないが、食事行為中に状況確認や指示声掛けをする行為。または、食事行為中に食べやすいように皿を置き換えるなどの行為
排尿

排便
認知症高齢者などの場合に、常時の付き添いはないが、トイレに行くタイミングを自分で判断できないために、トイレに誘導する目的に指示や声がけや確認をする行為
口腔清潔 常時の付き添いはないが、口腔清潔行為中に状況確認や指示声掛けをする行為。または、終了後に磨き残しなどの確認をする行為。口腔清潔では「一部介助」となる
上衣
ズボンの
着脱
認知症高齢者などの場合に、常時の付き添いはないが、着脱行為中に状況確認や指示声掛けをする行為。または、着脱後にキチンと出来ているかを確認する行為
簡単な調理 常時の付き添いはないが、炊飯の行為中に米の量や水加減を指示、確認する行為

 

実際の介護の場面では、必ずしも対象者にずっと付き添っていなくても目的の行為後に介助者が確認し、上手く出来ていなかったら介助で手直しすることも多いはずです。

この場合に、手直しをする頻度が多い場合は「一部介助」になり、手直しの頻度が少ない場合は「見守り」と評価することになります。

いぜれにしろ、特記事項には選択理由を記載する必要がありますから、実際に行われている具体的な介助の方法や頻度を特記事項に記載しましょう。