認定審査会に伝わる特記を書くPart2|一人で出たがる
一人で出たがる
ポイント
一つの特記で「4-9一人で出たがる」と「4-8落ち着きなし」の両方を選択している場合を多く見受けます。
一人で出たがるの場合は帰宅願望以外の「外に出ようとする行為」の有無を評価します。一方、落ち着きなしの場合は帰宅願望からの「家に帰るなどの発言とそれに伴う外に出ようとする行為」の有無を評価するものです。
また、「一人で出たがる」と「徘徊」を同じ行為として捉えている記載を見かけますが、「一人で出たがる」は外に出ようとする、または外に出る行為が該当し、徘徊は外に出て目的もなく歩きまわる行為が該当します。
特記記載例
記載例 | 選択した選択肢 | ポイント |
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グループホーム入居中で、身体の調子が少しでも悪いと受診したいと訴えて来る。訴えが聞き入れられないと一人で受診しようと施設の外に出ようとする | 時々ある | 帰宅願望による行為ではないことが分かる特記です |
以前徘徊して警察に保護されたことがあり、鍵を2か所に取り付けて出られなくなっているが、玄関に荷物をまとめて座っている時がある | 時々ある | 実際には外に出なくても出ようとする行為の記載がある |
現在グループホームに入居中で、帰宅願望があり、戸が開いていると一人で出て行ってしまう | ある | 帰宅願望と記載した場合は「4-8落ち着きなし」に該当します |
独居で、小規模多機能の通いサービスを毎日利用している。支払いなどを異常に気を掛け、「銀行に行かなきゃならない」と言って玄関に行こうとする | ある | 帰宅願望による行動ではないことが分かる特記です |
現在入院中だが入院しているとの認識がない。エレベーターや階段の所に行って病棟の外へ出ようとし、看護師が声をかけると「茶の間に〇〇を取りに行く」とか「ちょっと買い物に行く」などと言う。その都度誘導されて部屋に戻っている | ある | 1例目同様、実際には外に出ていないが、外に出ようとする行為の記載がある |
夕方になると帰宅願望が出現し、何度も外に出ようとするため目が離せない | ある | 「帰宅願望が出現」と記載した場合は「落ち着きなし」の該当になります |
現在小規模多機能に連泊中で、夕方になると「息子が迎えに来るから」と言って玄関まで行こうとする | ある(4-8落ち着きなし、4-9一人で出たがるの共通特記) | 「落ち着きなし」「一人で出たがる」どちらにも通用する特記になっていますが、「息子が迎えに」の発言を帰宅願望と捉えているのであれば「落ち着きなし」を選択するべきです |
勝手にウロウロして外に出ようとする行為がある | ある(4-9一人で出たがると4-14自分勝手に行動するの共通特記) | 「勝手に行動する」も兼ねた特記にするのであれば「注意してもいう事を聞かずに」など、場面や目的から見て不適切で、勝手な行動と判断できる記載もするべきです |
独居。1日3回小規模多機能の訪問を受けており、訪問中に断りもなく外に出て行き、職員が帰るのを待っていると「コンビニに行って来た」と言って20分ほどで戻ってくる | ある | この特記の場合、対象者の行為が場面や目的から見て不適切とは言えないように見えます。この行動がBPSDであると評価した理由の記載が必要と思われます |